ドル円は100日線を下放れ 市場の期待感に少し変化も=NY為替概況
きょうのNY為替市場でドル円は107円台半ばでの推移が続いた。NY時間に入って下げ渋っているものの、きょうは一時107.30円近辺まで下落しており利益確定売りの動きが優勢。107.90円付近に来ている100日線を下放れる動きが出ており警戒される。
円高の動きがドル円を圧迫していた面もあったようだ。市場では来月の米中貿易協議への期待感が高まっているが、先週の次官級協議のあと中国の代表団が当初予定よりも早く帰国するため予定していた農家視察を中止した。農家視察は中国による米国産大豆と豚肉の購入拡大につながるとの見方もあったことから、視察中止は米中交渉への期待に水を差す格好となった。期待感を高めていた市場も少し変化しているようにも思われる。
ドル円は21日線が107.15円付近に来ており、目先の下値サポートとして意識される。
ユーロドルは1.0990ドル近辺での推移。NY時間に入って下げ渋っているものの、きょうは1.0965ドル付近まで下落するなど上値の重い展開が続いている。ユーロドルは反転の兆しも見せていたが、21日線を下回る展開が再び見られており、下向きのトレンドが続いている。
この日はユーロ圏とドイツのPMIが発表されていたが、製造業、非製造業とも予想を下回っており、景気後退を示唆している。ドラギECB総裁も本日の議会証言で言及していたが、直近の指標は回復の兆しを見せていないと述べていた。
ポンドドルは下げが一服しているものの浮上の気配もなく本日安値圏での推移となっている。先週は100日線を挟んだ展開が続いていたが、きょうの下げで下放れる動きも出ており警戒される。1.23ドル台前半に21日線が来ており、下値メドとして意識される。
英最高裁は明日、ジョンソン英首相が決定した議会閉会の合法性について判断を明らかにする予定で、英EU離脱の行方や政局も含めて内容が注目される。違法だと判断された場合、首相は議会を招集せざるを得なくなり、ジョンソン首相が言及している10月末の離脱強行にブレーキがかかる可能性が高まる。その場合、ポンド買いの可能性もありそうだ。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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