FX/為替「ドル/円今日の予想」 外為どっとコム トゥデイ 2025年9月29日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年9月29日8時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼26日(金)の為替相場
(1):米大統領 追加関税を発表
(2):東京CPI コアベースは前月と同じ伸び率
(3):ユーロ圏 1年先期待インフレ率上昇
(4):米PCEは想定内の伸び
(5):米期待インフレ率が下方修正
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:149円台中心の動き/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
26日(金)の為替相場
期間:26日(金)午前6時10分~27日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米大統領 追加関税を発表
米国のトランプ大統領は「わが国の偉大な大型トラック・メーカーを不公正な外部の競争から守るため、2025年10月1日付で、世界の他の国・地域で製造された全ての大型トラックに25%の関税を賦課する」とSNSに投稿。また、キッチンキャビネットと洗面化粧台に50%、布張り家具には30%の関税を10月1日から発動することも続けて発表した。さらに、「ブランド薬や特許で保護されている医薬品」に100%の追加関税を課すと表明した。ただ、市場はこれらを特に材料視しなかった。
(2):東京CPI コアベースは前月と同じ伸び率
東京都区部9月消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除いたコアベースで前年比+2.5%と市場予想(+2.8%)を下回り、前月と同率の伸びにとどまった。生鮮食品を除く食料が+6.9%と高止まりした一方、サービス価格は+1.5%に鈍化した。
(3):ユーロ圏 1年先期待インフレ率上昇
欧州中銀(ECB)の8月調査によるユーロ圏消費者のインフレ期待は1年先で+2.8%と、市場予想(+2.5%)に反して前月(+2.6%)から上昇。3年先のインフレ期待は+2.5%で前月と変わらずだった(予想+2.4%)。
(4):米PCEは想定内の伸び
米8月個人消費支出(PCE)は前月比+0.6%と市場予想(+0.5%)を上回り、5カ月ぶりの高い伸びとなった。8月PCEデフレーターは前月比+0.3%、前年比+2.7%といずれも予想通りで、前年比の伸び率は前月の+2.6%から小幅に拡大した。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+2.9%だった(予想、前月ともに+2.9%)。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視するPCEデフレーターの伸びが想定内だったことから利下げの妨げにはならないとの見方が広がった。なお、8月PCEデフレーターの上昇をけん引したのは主にサービス価格であり、関税の影響を受けやすいはずの自動車や大型家電の価格は下落した。
(5):米期待インフレ率が下方修正
米9月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値は55.1に下方修正された(速報値:55.4)。また、消費者のインフレ期待は1年先が4.7%、5-10年先が3.7%にそれぞれ下方修正された(速報値:4.8%、3.9%)。
26日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:149円台中心の動き
26日のドル/円は終値ベースで約0.2%下落。前日の米経済指標が堅調な結果だった影響から一時149.95円前後まで上昇したが、心理的節目となる150円を手前に失速した。この日発表された米8月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前月から伸びが加速したものの、市場予想通りの結果となり「米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げを思いとどまらせるほどの伸びではない」との見方が広がったこともドル売りにつながった。 FRBの追加利下げについてはFF金利先物では年内に2回(25bp=0.25%ポイント×2)の利下げを約80%織り込んでいる。その割には、先週は週央から後半にかけて米長期金利は下げ渋っている。本日は米国の労働市場やインフレに関連した経済指標の発表がないため、FRBの利下げを巡る思惑に同意が生じにくくドル/円は149円台を中心とした値動きが予想される。 なお、米国政府の2026年度予算案の成立が難航しており、10月1日から米政府機関が閉鎖される可能性が出てきた。この場合、今週末に控えた米9月雇用統計の発表が遅れることもあり得るため注意したい。9月雇用統計の発表が遅れる場合には、1日に発表される米9月ADP全国雇用者数の結果がFRBの方向性を決める重要な材料となる可能性がある。ただ、年内2回利下げを約80%織り込んでいる現状では利下げの織り込みがさらに進むには相応に弱い内容が求められると考えられるため、ドルの下値は限定的になりそうだ。
注目の経済指標:米中古住宅販売仮契約
注目のイベント:FRB高官発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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