【これからの見通し】英欧経済指標を確認、米国ではメスター総裁講演
【これからの見通し】英欧経済指標を確認、米国ではメスター総裁講演
昨日は米国がプレジデンツデーの祝日だった。米国の主要市場が休場となり、株式や債券動向などの手がかりに欠けた。きょうの東京市場では、黒田日銀総裁の国会での発言で一時円安の反応がみられた。為替で経済・物価に影響が出て目標達成に必要となれば追加緩和検討、との発言にドル円は20銭ほど上昇した。一方、ユーロドルやポンドドルの上値も重く、クロス円は上値を抑えられている。豪中銀議事録で一時買われた豪ドルもすぐに失速しており、黒田発言での円安も豪ドル円の戻りは限定的。
ユーロやポンドの上値の重さにはこのあとロンドン・欧州市場で発表される英欧経済指標への警戒感もあるのかどうか。欧州ではドイツとユーロ圏のZEW景況感(2月)が発表される。市場はドイツの数字に注目している。事前予想は-13.6と前回の-15.0からは改善する見込み。これまで10か月連続でのマイナスとなっている。
英国では一連の雇用関連指標が発表される。注目度の高いのがILO雇用統計。今回10-12月期の失業率は4.0%と前回と同水準が見込まれている。また、しばしば市場が反応をみせるのか賃金動向。週平均賃金は前年比+3.5%と予想されており、前回の+3.4%から小幅に上昇する見込み。賞与を除いたデータも+3.4%と前回の+3.3%を上回る見込みだ。一方で、きょうはホンダが英国工場を閉鎖するとの報道が話題になっており、EU離脱をめぐりこのような動きが相次ぐようだと英失業者が増加することが懸念されよう。足元での強い経済データには半信半疑の反応となる可能性もある。
NY市場は三連休明けの債券や株式動向が注目されよう。きょうは主要な米加経済指標発表は予定されていない。あすにはFOMC議事録の公表が控えており、ハト派転換でどのような議論があったのか興味深い。きょうはメスター・クリーブランド連銀総裁の講演が予定されている。為替市場は英欧の経済状況と米国の景気判断との綱引きとなりそうだ。
一部報道によると、きょうからワシントンで米中貿易協議が再開されるとしており、関連報道にも留意したい。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。