FX/為替「ドル/円、一進一退 このまま行けば月間6.8%の大幅高に」 外為どっとコム トゥデイ 2024年10月30日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年10月30日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼29日(火)の為替相場
(1):加藤財務相 けん制のトーン変わらず
(2):米経済指標は強弱まちまちの結果
(3):米債入札をきっかけに米長期金利低下
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:持ち高調整のドル売りが入りやすい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
29日(火)の為替相場
期間:29日(火)午前6時10分~30日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):加藤財務相 けん制のトーン変わらず
加藤財務相は閣議後の会見で、衆院選後に円安が進んだことについて問われ、「投機的な動向を含め、為替市場を緊張感をさらに高め注視していく」と述べて従来の見解を繰り返した。
(2):米経済指標は強弱まちまちの結果
米9月JOLTS求人件数は744.3万件と市場予想(800.0万件)を大幅に下回り、2021年1月以来の水準に減少した。一方、米10月消費者信頼感指数は108.7と市場予想(99.5)を大きく上回り、今年1月以来の高水準となった。なお、米10月消費者信頼感指数における雇用関連の調査項目はいずれも良好だった。ドル/円はJOLTS求人件数の減少に反応して下落したが、消費者信頼感指数の上昇を受けて下げ渋った。
(3):米債入札をきっかけに米長期金利低下
米7年債入札(440億ドル)は応札倍率が前回を上回るなど好調に消化された。これをきっかけに、米大統領選で減税や関税強化を掲げるトランプ氏が勝利すれば、インフレ圧力が再燃し長期金利に強い上昇圧力がかかるとの懸念から軟調だった米国債に買い戻しが入った。米10年債利回りは引けにかけて低下に転じ、ドルの重しとなった。
29日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:持ち高調整のドル売りが入りやすい
昨日のドル/円は、153円台を維持したものの伸び悩んだ。東京市場で152.76円前後まで弱含んだが、153円割れでは下値が堅く海外市場で153.87円前後へと反発した。ただ、前日高値(153.88円前後)にはわずかに届かず失速。一時4カ月ぶりの水準に上昇していた米10年債利回りが終盤にかけて低下に転じると153円台前半に押し戻された。終値は153.36円前後で、前日比10銭未満の小幅高だった。なお、ドル/円は今月に入り約10円上昇している。昨日までの月間上昇率は約6.8%で、このまま行けば2009年12月以来の高水準となる見通しだ。月末接近、なおかつ明後日1日に米10月雇用統計を控えているだけに、持ち高調整のドル売りが入りやすいタイミングに入ってきたと考えられる。ただし、その先の来週5日に行われる米大統領選ではどちらが勝っても米長期金利に上昇圧力がかかると見られている(トランプ氏ならより強い上昇圧力に)ことから、ドルが大きく下落することは考えにくい。本日のドル/円は、154円に近付けば戻り売りが強まる一方、152円台に差し込めば押し目買いが入る一進一退の展開が続きそうだ。
注目の経済指標:米7‐9月期GDP
注目のイベント:米企業決算
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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