円高にドル高 当面の材料出尽くし、週末に向けて調整 ドル円152円台前半=ロンドン為替概況
円高にドル高 当面の材料出尽くし、週末に向けて調整 ドル円152円台前半=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、円高とドル高の動きが優勢。今週は4年に一度の米大統領でトランプ氏が勝利、昨日には英米の金融政策発表を通過している。今日は当面の材料出尽くし感が広がっている。米大統領選ではトランプトレードでドルが急伸、昨日は急反落と激しく動いた。週末にかけての材料はほとんどなく、市場には相場疲れもありそうだ。ドル円は153円台から152円台前半へと軟化している。東京昼に加藤財務相が円安けん制発言を行ったことが上値を重くした。また、中国は全人代を終えて既存の隠れ債務の借り換えを目的とした6兆元規模の債務計画が発表されたが、市場では想定内としてポジティブサプライズはなかった。一時人民元売り・ドル買いが入ったことが主要通貨にドル買いを波及させる場面もあった。ユーロドルは1.07台後半、ポンドドルは1.29台前半まで一時下落。そのなかでドル円は上値重く推移しており、クロス円も上値も抑えられている。ユーロ円は一時164円台割れ、ポンド円は197円台前半まで安値を広げた。欧州株は軟調に推移。米債利回りは低下。全般に調整ムードが広がっている。
ドル円は152円台前半での取引。東京午前に153.37近辺まで買われたが、その後は上値重く推移している。加藤財務相が円安けん制発言を行ったことで152円台半ばへと下押しされた。その後153円手前まで下げ渋るも、ロンドン時間には再び売りに押されている。全人代での中国の景気対策が想定内にとどまり、トランプ政権への不透明感もあって欧州株は軟調に推移している。ドル円は152.14近辺まで安値を広げ、その後の戻りも限定的。
ユーロドルは1.07台後半での取引。東京早朝の1.0807近辺を高値に売られ、ロンドン朝方には1.0761近辺まで安値を広げた。しかし、下げも続かず1.07台で売買が交錯している。ユーロ円はドル円とともに軟調な動きが続いている。東京朝方の165.43近辺を高値にロンドン序盤には163.89近辺まで下落。その後の戻りは164円台前半までとなっている。フランスの貿易赤字が拡大したが、特段の反応はみられなかった。対ポンドでは方向感無く揉み合っている。
ポンドドルは1.29台後半での取引。東京朝方の1.2990近辺を高値に、ロンドン朝方には1.2936近辺まで下落した。その後は買戻しが優勢となり1.29台後半に戻している。ポンド円はドル円などとともに軟調に推移している。東京午前の198.93近辺を高値に、ロンドン序盤には197.12近辺まで安値を広げた。その後の反発は197円台後半までにとどまっている。ユーロポンドは0.8309から0.8325までのレンジ取引。前日NY終値付近での推移が続いている。このあとにはピル英中銀チーフエコノミストが金融政策について説明する予定となっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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