FX/為替「ドル/円、注目イベントを控え様子見ムード 日銀会合は植田総裁発言に注目」 外為どっとコム トゥデイ 2024年10月31日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年10月31日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼30日(水)の為替相場
(1):豪四半期CPI大幅鈍化
(2):独GDP予想に反してプラス成長
(3):ADP全国雇用者数大幅増加
(4):米GDP予想を下回る
(5):英財務相 予算案発表
(6):独CPI加速
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:総裁発言次第で大きな値動きの可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
30日(水)の為替相場
期間:30日(水)午前6時10分~31日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪四半期CPI大幅鈍化
豪7-9月期消費者物価指数(CPI)は前年比+2.8%と市場予想(+2.9%)を下回り、2021年1-3月期以来の低い伸びとなった。ただ、豪政府のエネルギー支援策による電気料金の値下がりなどが鈍化の主因で、コアCPIにあたるCPIトリム平均値は前年比+3.5%だった。
(2):独GDP予想に反してプラス成長
独7-9月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比+0.2%と市場予想(-0.1%)に反してプラス成長となった。その後に発表されたユーロ圏7-9月期GDPも前期比+0.4%と市場予想(+0.2%)を上回った。
(3):ADP全国雇用者数大幅増加
米10月ADP全国雇用者数は23.3万人増と市場予想(11.1万人増)を上回った。ハリケーンやストライキの影響で伸びが鈍ると見られていたが、予想に反して前月(15.9万人増)から増加幅が拡大した。
(4):米GDP予想を下回る
米7-9月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比年率+2.8%と市場予想(+2.9%)には届かず、4-6月期(+3.0%)からやや減速した。ただ、GDPの7割を占める個人消費は前期比年率+3.7%と予想(+3.3%)を大きく上回り、住宅投資の落ち込みや輸入の増加によるGDP押し下げの影響をある程度カバーした。
(5):英財務相 予算案発表
英国のリーブス財務相は秋季財政報告で400億ポンドの増税を含む予算案を発表。労働党が選挙公約で掲げた公共サービスの再生に取り組むとともに、前保守党政権が残した財政赤字の穴埋めに充当する。2024-25年度の国債発行額は2970億ポンドで、概ね市場の予想通りだった。
(6):独CPI加速
独10月CPIは前年比+2.0%と市場予想(+1.8%)を上回った。欧州連合(EU)基準のCPIも前年比+2.4%と予想(+2.1%)を上回り前月(+1.8%)から加速した。
30日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:総裁発言次第で大きな値動きの可能性
昨日のドル/円は、153円台を維持したものの伸び悩んだ。米10月ADP全国雇用者数が予想を大幅に上回る結果となり、153.48円前後まで強含む場面も見られた。ただ、その後に発表された米7-9月期国内総生産(GDP)が予想に届かなかったほか、対ユーロでのドル売りの影響もあり上値を伸ばすには至らなかった。
本日は日銀金融政策決定会合が開催される。政策金利は0.25%で据え置かれる見通しで、市場の注目は植田総裁の定例記者会見での発言に向いている。先週末の衆院選で与党が過半数議席を獲得できなかったことから、日銀は当面利上げに動きにくいとの見方が広がっている。植田総裁の発言内容次第ではドル/円は上下ともに大きく動くことも考えられる。ドル/円は今週に入り152.41円前後~153.88円前後でのレンジ取引となっている。レンジを抜けた際には上下ともに相応の値動きとなる可能性があるため注意したい。NY市場では米9月個人消費物価指数(PCEデフレーター)や前週分の新規失業保険申請件数が発表される。
注目の経済指標:日銀金融政策決定会合
注目のイベント:日銀総裁発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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