FX/為替「市場は米大統領選を強く警戒 ボラティリティが急騰」 外為どっとコム トゥデイ 2024年11月6日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年11月6日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼5日(火)の為替相場
(1):RBA 政策金利を据え置き
(2):ISM非製造業 予想を上回る
(3):米債入札は好調に消化
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドル/円の翌日物の予想変動率が急騰/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
5日(火)の為替相場
期間:5日(火)午前7時10分~6日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBA 政策金利を据え置き
豪中銀(RBA)は予想通りに政策金利を4.35%に据え置いた。声明では、総合インフレ率は鈍化したが基調的なインフレ率は「なおも高すぎる」とした上で「インフレ率が目標範囲に向かって持続的に推移していると確信するまで、政策は十分に制限的である必要がある」と表明。近く利下げを開始する公算が小さいことをあらためて示唆した。ブロック総裁は理事会後の記者会見で短期的な利下げの見通しについて問われ「現時点では適切な設定になっている。状況が予想以上に悪化し始めたら、すぐに行動できるよう努める。だが、どうなるかは分からない」と述べた。
(2):ISM非製造業 予想を上回る
米10月ISM非製造業景況指数は56.0と市場予想(53.8)を上回り、2022年7月以来の高水準となった。構成指数では、仕入価格や新規受注が前月からやや低下した一方、雇用は大幅に上昇した。
(3):米債入札は好調に消化
米10年債入札(420億ドル)は応札倍率が前回を上回るなど比較的好調に消化された。これを受けて米長期金利が低下するとドルは売りが優勢となった。
5日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:ドル/円の翌日物の予想変動率が急騰
昨日のドル/円は約2週間ぶり安値を付けた。歴史的な接戦が見込まれる米大統領選の投票がスタート。東京市場で152.50円台へと強含む場面もあったが、海外市場では持ち高調整と見られるドル売りが優勢となり10月23日以来の安値となる151.33円前後まで反落した。
米大統領選の投票は日本時間午前8時に東部および中西部から順次終了。勝敗を左右すると見られる激戦7州の中で最も早く投票が終了するのはジョージア州の午前9時となる。9時半にはノースカロライナ、10時にペンシルベニアとミシガン、11時にアリゾナとウィスコンシン、12時にネヴァダと続く。大勢が判明するのは数日先になる可能性もあるが、市場は上記激戦7州を中心に開票速報に一喜一憂することになるだろう。仮に共和党トランプ氏の大統領返り咲きが見込めるような状況となれば大きくドル高に振れる可能性があるため注意が必要となる。民主党のハリス氏が支持率でリードしているミシガン州やウィスコンシン州をトランプ氏が獲るようなら見切り発車的にドル買いが強まることも考えられる。なお、為替オプション市場でドル/円の翌日物の予想変動率(インプライドボラティリティ)は前日の11%から35%前後へと急騰。市場が米大統領選をいかに警戒しているかを物語っている。
注目の経済指標:
注目のイベント:米大統領選開票
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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