【これからの見通し】ウォーシュ米FRB議長の基調講演に注目集まる、インフレに対する見解はどうか
【これからの見通し】ウォーシュ米FRB議長の基調講演に注目集まる、インフレに対する見解はどうか
本日はジャクソンホール会議でウォーシュ米FRB議長の基調講演が実施される。今週を通して市場の注目を集めているイベントとなっている。同議長は就任当初からFRBの組織改変に注力する姿勢を示す一方で、市場との対話については消極的だ。フォワードガイダンスを示さず、自身の金利見通しも示さない。市場にとっては、今回のような講演は同議長の金融政策姿勢を知る数少ない機会となっている。
ただ、前議長のパウエル氏がトランプ政権との関係に苦慮したことは記憶に新しい。トランプ政権はあらゆる手段を使って、パウエル氏に利下げ圧力を掛けた。市場では「中銀独立性」が大きな話題となった経緯がある。そもそもウォーシュ氏はトランプ大統領が選んだ人材であり、パウエル氏とは違った面があるにせよ、中銀独立性に関する圧力にさらされている状況だ。米FRBの二大使命であるインフレと雇用の両立について、純粋な判断を示すことは困難となろう。
さらに事態を複雑にしているのが、ベッセント米財務長官が打ち出した米長期債買戻し倍増方針だ。いわゆるイールドカーブ操作ともいえる手法で、長期債利回りの上昇を抑制する手法だ。ただ、市場操作との批判もあり、巨額の政府債務を抱えるなかで、利回り抑制効果には疑問も広がっている。より広範な施策の発表が待たれているところだ。
上記のような状況下で、今回の講演でウォーシュ氏が明確な金融政策姿勢を示した場合は、市場の反応が大きくなりそうだ。鍵となるのがインフレに対する認識だ。足元のインフレを伸び鈍化傾向と捉えるのか(早急な利上げには慎重)、水準自体の高さをインフレの粘着性と捉えるのか(利上げの必要性)。この点が明言されるようだと、インフレ伸び鈍化でドル売り、インフレ粘着性でドル買いの反応が広がることが想定されよう。
政府との関係性もあってお茶を濁すケースでは、事前にドル買いに傾いているマーケットに調整の反応が広がる可能性も指摘しておきたい。基調講演は日本時間午後11時に始まる予定だ。
その他のイベントとしては、経済指標発表はカナダ実質GDP(2026年 第2四半期と6月)、シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(8月)、ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(8月)などが予定されている。発言などでは、ハマック・クリーブランド連銀総裁がウォーシュ講演に先立ってTV出演する。また、米労働省労働統計局(BLS)雇用統計年次基準改定(速報値)も話題になっている。市場予想は18.3万人の上方改定となっており、昨年の91.1万人の下方改定ほどのインパクトはなさそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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