フランス政治の流動化、ユーロの重しに=NY為替
NY時間の終盤に入って、ドル円は伸び悩む動きを見せているものの、ユーロ円は173円台前半での推移を続けている。21日線の上もしっかりと維持しており、強い上値抵抗が観測されている174円をうかがう展開を維持しているようだ。
今週はフランスで政権交代が発生し、ルコルニュ新首相が就任した。フランス議会では予算成立に向け課題山積しており、予算削減への反発が渦巻く中で初日からデモも発生している。フランスの首相交代はこの2年で5人目。直近の2人の首相はいずれも、財政赤字を大幅削減する予算案を提出したことで、退陣に追い込まれている。
アナリストは、ECBが利下げサイクルをほぼ終えたと見られる中、フランス政治の不安定リスクがユーロの上値を抑える可能性があると指摘している。ECBは前日の理事会で金利を据え置いたが、市場は追加利下げを織り込んでいない。しかし、フランスの政治的混乱を背景に、投資家は「これ以上利下げは行われない」と自信を持って想定することに慎重になる可能性があると指摘している。
EUR/JPY 173.17 USD/JPY 147.53 EUR/USD 1.1738
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。