【これからの見通し】米国売りから米国離れへ、ドル売りの流れ定着 目先は株動向にらんで円安も
【これからの見通し】米国売りから米国離れへ、ドル売りの流れ定着 目先は株動向にらんで円安も
トランプ関税をめぐる相場動向が続いている。当初は相互関税発表時のようにややパニック的な反応がみられ、「米国売り」との評価が飛び交った。しかし、トランプ氏の手法が市場に理解されてくるうちに、ショック的ではなく、構造的な「米国離れ」の図式となってきている。緩やかなドル安の流れが定着してきているようだ。
トランプ政権の不規則かつ恫喝的な姿勢は各国政府や市場に浸透してきているようだ。中国の例が示すように、ある程度の毅然とした姿勢を相手国は取るようになってきている。トランプ政権も当初の理不尽な要求を緩和しつつ交渉の場に進むパターンだ。そのなかで、より安定した市場を求めて、経済規模の大きいEUや中国、その他にも大人口を抱えた市場への移行が模索されてきているようだ。また、投資資産についても、米国一辺倒ではなくなりつつある。昨今のユーロ高にはそのような側面も指摘される。また、根強い金需要も続いている。
一方、本日の目先のマーケットをみると、米国が対EU50%関税発動を7月9日まで延長したことが株式市場などには好感されている。全般的にはドル安圧力が継続しているが、逃避通貨としての円やスイスフランに対する買い圧力は一服している状況。ユーロ円などのクロス円に買い圧力が観測されている。
この後の海外市場で発表される経済指標は、香港貿易収支(4月)、イスラエル中銀政策金利(5月)などと限定的。ロンドン市場やNY市場が休場となっており、米債市場が休場するなど手掛かり難となる。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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