ややドル売りに傾く、先週末のドル買いは一服 引き続き中東情勢は激化も=ロンドン為替概況
ややドル売りに傾く、先週末のドル買いは一服 引き続き中東情勢は激化も=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ややドル売りに傾いている。先週末からイスラエルとイランの紛争が激化しており、リスク回避の動きが広がり、ドルが買われた経緯がある。しかし、週明けのロンドン市場では調整的なドル売りの動きが優勢になっている。欧州株や米株先物・時間外取引は反発、原油や金相場も上昇一服となっている。ただ、中東情勢については特段の良いニュースはみられず。原油にとってはイランの石油輸出施設の被害が少なかったことなどが調整を誘っている。G7首脳会議が行われているが、現時点では目新しいニュースは出ていない。米国の親イスラエル姿勢には変化はみられず、G7全体での合意形成は困難とみられている。ユーロがやや堅調に推移しており、デギンドスECB副総裁が「市場は決定会合後のメッセージを完全に理解している」「ユーロドルの為替レートが1.15でもインフレ目標達成の大きな障害にはならない」などの述べたことが、市場に当面の利下げ打ち止め感を広げたようだ。あすには日銀決定会合、水曜日に米FOMC、木曜日にスイスと英国の中銀政策会合が予定されており、きょうは模様眺めとなっている。ドル売りに押されて、ドル円は144円付近に軟化、ユーロドルは1.15台後半、ポンドドルは1.35台後半に上昇。ユーロ円は一時167円台乗せ、ポンド円は196円台乗せまで買われたあとは調整売りが入っている。
ドル円は144円付近での取引。東京市場からは上に往って来いとなっている。東京早朝の143.90近辺を安値に、東京朝方には144.75近辺まで上昇。しかし、その後は売り戻されている。ロンドン時間には144円割れまで一時反落している。米10年債利回りは4.40%付近から4.46%手前水準で振幅している。
ユーロドルは1.15台後半での取引。東京昼過ぎの1.1524近辺を安値に、その後は買いが優勢になっている。ロンドン序盤には1.1587近辺まで高値を伸ばし、その後も高止まりしている。ユーロ円は東京早朝の165.91近辺を安値に、その後は売買交錯も堅調な動き。ロンドン序盤には一時167.22近辺まで買われた。対ポンドではユーロ買いが優勢。デギンドスECB副総裁発言で、当面のECB利下げ打ち止め感が広がった。
ポンドドルは1.35台後半での取引。東京昼過ぎの1.3535近辺を安値に、その後は買いが優勢となった。ロンドン序盤に1.3593近辺まで買われたあと、1.3580付近での揉み合いに落ち着いている。ポンド円は東京早朝の195.07近辺を安値に、その後は売買が交錯しながら買われている。ロンドン朝方には一時196.18近辺に高値を伸ばした。足元では195円台後半へと押し戻されている。ユーロポンドは東京早朝の0.8498近辺を安値に、ロンドン時間には0.8529近辺まで上昇している。今週の英中銀会合では政策金利据え置き予想がコンセンサスとなっているが、市場では年内にあと2回の利下げを織り込んでおり、足元の英経済弱含みが懸念材料となっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。