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【これからの見通し】ドル売りの流れ続くなか、米景気動向に焦点 きょうはJOLTS求人件数

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【これからの見通し】ドル売りの流れ続くなか、米景気動向に焦点 きょうはJOLTS求人件数

  今年はドル安の流れが継続している。特に3月に入ってからはその勢いが増している。一連の米経済統計が弱含んでいることで、米景気動向への不透明感が広がっていることが背景。先週末の米雇用統計を通過したあとも、ドルの上値は重い。トランプ大統領からは米景気後退についてのコメントが回避されている。自身も経済成長に不安感を抱いているとの印象を市場に与えている。

 きょうは1月の米JOLTS求人件数が発表される。760万人と前回と同水準の数字が市場予想の中央値となっている。800万人を下回る水準が続くことで、米雇用状況が弱含んできていることが印象付けられそうだ。ドル円相場が一段と下落するのか、注目指標となる。

 米金融当局はインフレ退治のために金利を引き上げてきたが、労働市場にはタイムラグを伴ってその効果が現れてきているようだ。加えて、トランプ政権になってから世界中に貿易戦争を仕掛けており、過剰に不透明感が高まっていることも、企業の採用計画や投資行動に影を落としている。イーロン・マスク氏が強引に政府機関の人員削減を進めていることが労働環境を一段と悪化させる不安感につながる面も指摘される。

 また、昨日はユーロ相場に関する材料がでていた。「ドイツ緑の党、メルツ氏の債務パッケージ草案を支持しない意向」と報じられていた。ウクライナ支援について、トランプ大統領から欧州の負担額増加への圧力がかけられており、EUがこれに対応している。特にドイツでは従来からの厳格な財政ルールを緩和させる方向が示されており、これが景気にテコ入れとなるとの期待が膨らんでいた。次の段階としては議会通過のカギを握る「緑の党」が交渉をどのように進めるのかとなりそうだ。難航すればユーロ売り、あっさりと通過できればユーロ買いの反応が想定される。

 明日の米消費者物価指数発表を控えて、この後発表される経済指標は上記の米JOLTS求人件数一択となる。発言イベント関連では、レーン・フィンランド中銀総裁が金融政策および経済見通しについて講演を行う。NY市場では、米3年債入札(580億ドル)が予定されている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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