【これからの見通し】11月相場始まる、まずは米雇用統計をチェック
【これからの見通し】11月相場始まる、まずは米雇用統計をチェック
11月相場が始まった。10月は極めてシンプルにドル高の流れが続いた。月初の米雇用統計が意外に強さをみせたことをきっかけに、比較的良好な米経済指標が続いた。米金融当局の大幅利下げの可能性は消滅している。加えて、米大統領選でトランプ氏の優勢が伝えられると、高関税によるインフレ懸念がドル高につながった。いわゆるトランプトレードだ。高関税が新興国経済を痛めつけるとの警戒から、新興国通貨売りがドル高につながる面もあった。また、ハリス氏においても米景気刺激策からドル高を招くとの思惑につながった。
昨日の日銀決定会合では、植田日銀総裁が時間的な余裕があるとの文言を外した。これが市場に年内を含めた早期追加利上げ観測を想起させる面もあった。ただ、ドル円の下げは上昇トレンドに変化を与えるほどにはなっていない。
そのなかで、きょうは米雇用統計が発表される。10月相場のドル高のきっかけとなっただけに、今回も注目されそうだ。非農業部門雇用者数の伸びは10万人程度と予想されており、前回の25.4万件から大幅に低下する見込み。ハリケーンや大手企業のストライキの影響などが反映されているようだ。失業率は4.1%と前回並み水準の予想。平均時給は前月比+0.3%と前回の+0.4%から伸び鈍化、前年比は4.0%と前回並みの水準が維持される見込み。特殊要因で雇用の伸びが鈍化することは市場に周知されており、予想前後の結果であれば波乱は少なそうだ。ただ、今回の予想レンジは幅広い。マイナス1万人からプラス18万人までとなっている。10万人から大きく乖離するケースも念のため警戒したい。
この後の海外市場で発表される経済指標は、上記の米雇用統計のほかにも英ネーションワイド住宅価格指数(10月)、英製造業PMI(確報値)(10月)、スイス小売売上高(9月)、スイス消費者物価指数(10月)、スイス製造業PMI(10月)、香港小売売上高(9月)、メキシコ失業率(9月)、ブラジル鉱工業生産指数(9月)、米建設支出(9月)、米ISM製造業景気指数(10月)などが予定されている。
発言イベント関連では、ローガン・ダラス連銀総裁がダラス連銀主催イベント開会でスピーチを行う。ただ、ブラックアウト期間であるため、金融政策および経済に関する発言はない。米企業決算では、シェブロン、エクソンモービルなど石油大手が発表される。週末3日にら米国とカナダは冬時間に移行する。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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