【これからの見通し】ドル高の流れ再開の兆し、米FOMC議事録に注目
【これからの見通し】ドル高の流れ再開の兆し、米FOMC議事録に注目
東京市場ではドル円が148円台後半へと上昇している。中国が12日に財政政策に関する説明会を開催するとの報道が、不動産市場などの回復への期待を再燃させている。売りに押されていた上海株は下げ幅を縮小。香港株は一気にプラス圏を回復している。クロス円も上昇しており、リスク選好の円安とともにドル円が押し上げられている。
リスク選好の動きによるドル安は限定的。ドル指数は底堅く推移している。きょうはNZドルが急落しており、ドル高に寄与している。続いて円安、ユーロ安の動きがドル相場を下支え。NZドル売りは、きょうの金融政策会合でNZ中銀が0.50%の大幅利下げを実施、市場での今後の追加大幅利下げ予想も高まったことが背景。また、ユーロ安は今月のECB理事会での利下げ観測が台頭していることが影響しているようだ。
ドル自体の材料はどうか。きょうはNY市場後半に米FOMC議事録(9月17日-18日開催分)が公表される。この時の会見で、パウエルFRB議長は利下げを急がない姿勢を示していた。議事録での追加情報で再びドル買いが再開する可能性もあり、注目したい。直近の強い米雇用統計発表より前の議事録ということで、ハト派的な内容があっても、それに対する市場反応は封印されやすい点が指摘されよう。
この後の海外市場で発表される経済指標は、米MBA住宅ローン申請指数(09/28 - 10/04)、米卸売在庫(確報値)(8月)など。あすの米消費者物価指数と新規失業保険申請件数、金曜日の米生産者物価指数とミシガン大消費者信頼感・速報値などの発表が注目されるなかで、きょうの指標に対する注目度は低い。
発言イベント関連では、ジェファーソンFRB副議長、コリンズ・ボストン連銀総裁、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁などのイベント参加や講演が予定されている。米10年債入札(390億ドル)が実施される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。