FX/為替「ドル/円横ばい FRB議長証言に関心」 外為どっとコム トゥデイ 2024年7月9日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年7月9日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼8日(月)の為替相場
(1):仏総選挙 左派連合が予想外の勝利
(2):日本の現金給与総額は伸びが加速
(3):ハスケルMPC委員 利下げに慎重な姿勢を示す
(4):NY連銀インフレ期待は1年先が低下
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:FRB議長が年2回の利下げを追認するかが焦点/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
8日(月)の為替相場
期間:8日(月)午前7時00分~9日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):仏総選挙 左派連合が予想外の勝利
フランス総選挙・決選投票の開票が始まり、左派連合が第1回投票でトップだった極右政党・国民連合(RN)を抑えて勝利する見込みとなった。ただ、過半数議席の獲得には至らなかったことで、今後の連立交渉が難航するとの見方が浮上。政局不透明感が広がる中、ユーロは下落して取引が始まった。
(2):日本の現金給与総額は伸びが加速
日本5月勤労統計で、現金給与総額は前年比+1.9%と前月(+1.6%)から伸びが加速。このうち所定内給与(定期給与)は前年比+2.5%と春闘を受けて31年ぶりの高い伸びとなった。日銀の利上げ観測を絡めながら長期金利が上昇した。
(3):ハスケルMPC委員 利下げに慎重な姿勢を示す
英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)のメンバーであるハスケル委員は「労働市場は引き続き逼迫しており、依然として正常に機能していないのではないかと懸念している」とした上で「基調的なインフレ圧力が持続的に低下しているという確実性が高まるまで金利を据え置きたい」との見解を示した。
(4):NY連銀インフレ期待は1年先が低下
米6月NY連銀インフレ期待は1年先が3.02%と前回(3.17%)から低下した一方、3年先は2.76%から2.93%に上昇した。
8日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:FRB議長が年2回の利下げを追認するかが焦点
昨日のドル/円は新規の手掛かり材料を欠く中で方向感の乏しい展開だった。フランス総選挙で予想外の左派連合勝利となる見込みが高まる中、ユーロ売り・円買いが先行すると160.26円前後までつれ安したが、ユーロ売りが一巡すると次第に円売りへと傾斜。米長期金利の上昇もあって161.12円前後まで反発した。もっとも、米長期金利の上昇は続かずドル買い・円売りも勢いを失うと、前日比ほぼ変わらずの160.82円前後で取引を終えた。
市場の関心は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が本日上院で行う金融政策に関する半期に一度の議会証言に向かっている。米金利先物は9月の利下げ開始を8割がた織り込んでおり、その後年内にもう一度追加利下げが行われるとする市場の見方を反映している。議長がこうした市場の見方を追認するかが議会証言の焦点となりそうだ。なお、パウエル議長は今月2日、「米経済は力強く、労働市場も強いことから、われわれは時間をかけて正しく対応することが可能だ」とした上で「それがわれわれの計画だ」と述べている。議長が利下げを急がない姿勢をあらためて示せば米金利上昇とドル高の反応を示すだろう。
注目の経済指標:
特になし
注目のイベント:FRB議長議会証言
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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