ドル円は一時164円に迫る 中東情勢が依然混迷=NY為替概況
ドル円は一時164円に迫る 中東情勢が依然混迷=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル高が優勢となり、ドル円は一時164円に迫った。中東情勢が依然として混迷する中、米国とイランの対立が激化しており、金融市場では原油高・利回り上昇が見られている。そのような中、為替市場ではドル高が加速し、特に円に対してドルは買われている。
アナリストは、ドル円の上昇を見込む強気な見方は、165円に近づくにつれてリスク・リワードの妙味が変化しつつあるものの、ショート勢が踏み上げられる「ベア・ペイン・トレード」は依然として続いていると述べている。
現時点で反転のきっかけは、ドル側からは生じそうにないが、円高の材料も決め手を欠いている。日銀が引き締めのペースを加速させる可能性があるとの観測報道も流れていたが、G10各国の中銀もタカ派姿勢を強める中、効果には限界があると指摘。
一方、為替介入は常に選択肢として意識されるものの、実施には各国との協調が必要だとしている。また、GPIFの運用規制が見直されれば、中長期的には相場の流れを変える可能性があるが、現時点で具体的な制度改革案はまだ示されていないとも述べた。
ユーロドルは1.13ドル台に下落。本日はECB理事会が開催され、大方の予想通りに金利は据え置かれた。声明では、データに基づき、会合ごとに判断する方針を継続。また、「エネルギーショックによるインフレへの影響は、まだ完全には表れておらず、間接的影響および二次的影響を注視している」とも述べている。
その後、ラガルド総裁の会見が行われたが、これらを受けてエコノミストは「総裁は9月理事会についての質問に明言を避けたものの、ECBがインフレの上振れリスクを明確に警戒していることがうかがえた」と分析。総裁は6月時点のスタッフの経済見通し以降、エネルギー価格の先行き不透明感が高まっていることを認めた。これは、今後の政策判断が原油価格の動向や中東情勢に大きく左右されることを示唆しているという。
その上で「ECBは9月に利上げを実施する可能性が高い」との見方を示している。ECBのインフレ見通しは引き続き中東紛争前の想定を大きく上回る水準に留まると見られ、金融政策は中立金利のレンジ上限寄りへとシフトしていくことを後押しするとの見方を示した。短期金融市場でも90%超の確率で9月利上げを織り込んでいる。
ポンドドルも戻り売りが強まり、瞬間的に1.33ドルを割り込む場面も見られた。本日の下げで200日線を下放れる展開が見られ、21日線も下回ってきている。6月下旬からのリバウンド相場はひとまず後退している模様。一方、ポンド円は一時217円台に下落。円安の動きもあるものの、本日はポンドドルの動きに追随している模様。
ポンドは、新政権の財政運営方針が不透明であることに加え、英中銀の利上げ回数が市場の想定よりも少なくなるのではとの見方も根強く、これまでの上昇基調が揺らぐリスクに直面している。ポンドを支えてきた要因は夏場以降に薄れる可能性があり、一部からは、3カ月以内にポンドドルは1.32ドルまでの下落を予想しているという。
英国では財政リスクが引き続き懸念材料となっており、投資家は英政府が掲げ財政拡大策の財源をどのように確保するのかを注視している。内容次第では、ポンドや英国債にとって新たなリスク要因となる可能性があると指摘している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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