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為替相場まとめ3月18日から3月22日の週

為替 

 18日からの週は、ドル高と円安が浮上している。今週は主要国の金融政策発表など注目材料が相次ぎ、為替市場は振幅を伴う不安定な相場展開となった。日銀決定会合後には円安の動きが強まった。マイナス金利解除、YCC撤廃、ETF購入停止などの措置が発表されたが、約2週間にわたる事前報道を通じて市場に十分織り込まれていた。以前として緩和的環境にあることも示され市場はひと安心している。ただ、今後の利上げペースなどについて、再び市場との探り合いは続きそうだ。米FOMCの後にはドル安の動きがみられた。焦点となった今年の利下げ回数に関する見通しは、3回にとどめ置かれた。事前のマーケットでは昨今の根強いインフレを受けて2回に減少するとの見方があった。そして昨日の英中銀、スイス中銀など一連の中銀発表後には再びドル高の動きが優勢になっている。スイス中銀は想定外の利下げを発表。スイスフランが急落し、相対的にドル高が進んだ。英中銀は政策金利を据え置いたが、票割れでは前回までの利上げ派が消え、8対1となった。ポンド売りとともにドル買いに。週末アジア市場では、中国人民元安がドル相場の下支えとなる面もあった。ドル指数は104台に乗せてきており、3月1日以来の高水準となっている。ドル円は再び151円台後半まで買われる場面があり、来週にかけて152円台乗せとなるのかが注目されている。


(18日)
 東京市場で、ドル円は明日の日銀会合をにらんだ推移。149円付近で取引を開始、調整で148.90台に軟化も株高などを受けて149.33近辺まで買われた。米債利回り低下で上昇を消す場面があり、148.91近辺に安値を広げたが、午後も株高が継続し、149.10台へと下げ渋り。ユーロ円などクロス円も小幅の振幅にとどまった。ユーロドルは1.08台後半で14ポイントレンジ。日経平均は1000円超高となった。今日、明日の日銀金融政策決定会合ではマイナス金利の解除がほぼ確実視されている。YCCの撤廃、ETFの買い入れ停止なども併せて発表される可能性がある。一方で、国債買い入れ額の告知などを行うことで緩和姿勢を維持する姿勢をはっきりと示すと見られている。

 ロンドン市場は、全般に小動き。あすの日銀決定会合や水曜日に米FOMC会合などの結果発表を控えて模様眺め。ドル円は149円台前半での揉み合いが続いている。明日の日銀決定会合ではマイナス金利解除観測がほぼ織り込み済みとなっており、きょうの日経平均は1000円超高で引けている。植田日銀総裁会見が注目されるなかで、緩和政策維持の姿勢が示されることが期待されているもよう。ユーロドルは1.08台後半から1.09台乗せへと上昇し、足元でも高値付近で推移している。この動きがドル指数を押し下げている。一方で、ポンドドルは1.27台半ばへと買われたあとは1.27台前半で売買が交錯しており方向性に欠ける動き。ややユーロ買い・ポンド売りの動きとなっている。いずれの値動きも特段の材料は見当たらず、イベントを控えた調整の範疇にとどまっている状況。2月ユーロ圏消費者物価指数確報値は前年比+2.6%と速報値から変わらずだった。また、特段の金融当局者発言も報じられていない。

 NY市場は、様子見ムードが継続。ドル円はあすの日銀決定会合を控えて149円台前半での小動き。日銀がマイナス金利解除したとしても、緩和姿勢を堅持する見込みとなるなか、日米金利差は当面続くとの見方がドル円相場を下支えしている。円相場に対するインパクトはFOMC次第との見方も出ている。ドル円を動かしているのはドル側の要因で、それは今週も変わらないと指摘。FOMCのドットプロットがタカ派的な内容となれば、円は引き続き守勢に立たされる一方、12月と代わり映えしない内容であれば、円には新たな買いが入るとみられている。ユーロドルは戻り売りが優勢となり、再び1.08台に値を落とした。ポンドドルは1.27台前半での上下動。今週は中銀の重要イベントが多く、特にポンドに関しては木曜日に英中銀金融政策委員会(MPC)が予定されている。その内容を見極めたい雰囲気も強い。

(19日)
 東京市場は、日銀会合後に円売りが強まった。注目された日銀金融政策決定会合はマイナス金利の解除を決定。政策金利を無担保コール翌日物誘導目標に変更し0-0.1%とした。YCCは撤廃。長期債については従来と概ね同程度の購入を続け、金利の急騰時には機動的に対応とした。上場投資信託(ETF)およびJ-REITの買い入れは終了とした。予想通りの内容だったが、発表直後に円売りが入るも一時149.03近辺まで反落。すぐに149.92近辺まで反発後、149.34近辺に下落。その後150円台乗せと乱高下後に円安となった。150.40付近まで上昇した。ユーロ円も162円付近から163.43近辺へと上昇。ユーロドルは蚊帳の外。 豪中銀は3会合連続の据え置きを決定。声明の中で追加的な引き締めへの言及が削除され、豪ドル売りとなった。対ドルは0.65台半ばから前半へ軟化。豪ドル円は97.58近辺に下落したあと、日銀会合の影響で98円台乗せまで上昇。

 ロンドン市場は、円売りとともにドル買いの動き。ドル円は日銀決定会合を通過して149円付近からロンドン序盤には150.70近辺まで上昇。年初来高値(150.89)を視野に入れる動きとなった。日銀決定会合ではマイナス金利解除、YCC撤廃、ETF購入停止などが発表されたが、事前報道を通じて市場に十分周知されていた。日経平均は再び4万円台に上昇して引けた。植田日銀総裁会見では「現時点の見通し前提なら緩和的な金融環境が当面継続する」とし、政府との緊密な協調姿勢も確認されて、市場に安心感を与えた。クロス円も円安方向に振れている。また、明日の米FOMCを控えて、全般的にドル買いが優勢になっている。東京市場からの流れを受けて、豪ドルやNZドルが対ドルで下落。ロンドン時間にはユーロドルやポンドドルも下押しされている。3月独ZEW景況感指数は31.7と前回の19.9から大幅に改善したが、目立ったユーロ買い反応はみられていない。ユーロドルは1.08台後半から1.08台前半へ、ポンドドルは1.27台前半から1.26台後半へと軟化。一方で、ユーロ円は163円台半ば、ポンド円は191円台乗せとなる場面があり、高値を更新した。

 NY市場で、ドル円は一段と上昇。151円手前水準まで買われた。日銀は、現時点の経済・物価見通しを前提にすれば、当面、緩和的な金融環境が継続すると明記。植田総裁も緩和環境維持することが大事と、引き続き緩和姿勢を堅持し、慎重姿勢を強調した。日米の金利差は当面続くとの見方から、ドル円はもうしばらく上値を追えるとの見方に。ユーロドルは、ロンドン時間に一時1.0835近辺まで下落したあと、NY時間には下げ渋った。ポンドドルもロンドン時間に1.2670付近まで下落したが、NY時間には買い戻しが入った。今週は英中銀金融政策委員会(MPC)が開催されるが、その前に明日は英消費者物価指数(CPI)が発表され、その内容を見極めたい雰囲気も。あすの米FOMCに関しては、FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)が注目されている。年内の利下げ回数が3回か2回かで市場の反応は分かれそうだ。現時点では、2回に減るとの見方が優勢のようだ。

(20日)
 東京市場は春分の日の祝日で休場。

 ロンドン市場は、米FOMCを控えてドル買いが優勢。ドル円はアジア市場で150円台後半から151円台に乗せている。ロンドン時間には151.77近辺まで一段高。昨年11月以来の高値水準に。ロンドン朝方は英消費者物価指数をめぐってポンドが神経質に振幅した。前年比、コア前年比などの伸びが予想以上に鈍化したことで一時ポンド売り反応も、サービス物価の伸びが予想を上回ったことですぐに値を戻した。その後は全般的なドル高の動きに押されて1.27台前半から1.26台後半へ下落している。ユーロドルも1.08台後半から前半へと軟化している。ラガルドECB総裁は6月には多くの情報が得られるとして、このままディスインフレが続けば利下げを開始することを示唆した。ただ、初回利下げ後の金利パスについてコミットせずとした。クロス円はアジア時間に買われたあと、ロンドン時間には調整売りが入っている。ユーロ円は164円台後半まで買われたあとは164円台前半に反落。ポンド円も192円台後半を高値に一時192円台前半に下げた。ただ、ドル円の堅調な動きもあって調整は一服している。米FOMCの結果待ちとなっている。

 NY市場では、ドルが売られた。この日のFOMCとパウエル議長の会見を受けてドル安が優勢となった。金利は予想通りに据え置かれた一方、FOMC委員の今年末時点での金利見通し(ドット・プロット)は中央値で年内3回の利下げを維持した。直近のインフレ指標がインフレの根強さを示したことから、2回に減少するのではと見られていたが、変わらずだった。ただ、その時点は逆にドル高の反応が見られていた。中央値で年内3回の利下げが維持されたとは言え、2回以下とで人数は拮抗。19名の委員のうち9名が2回以下を予想していた。また、年内のPCEコアの予想を12月の2.4%から2.6%に上方修正していた点も影響した可能性も。しかし、その後のパウエル議長の会見を受けて、ドル安が強まった。議長は「今年のある時点での緩和開始が適切」と繰り返したほか、「保有資産の縮小ペースをかなり早期に緩めることが適切」とも述べていた。また、1、2月のインフレ指標は信頼感を高めなかったものの、インフレ指標には季節性がある可能性にも言及していた。ハト派な印象が優勢だったようだ。ドル円は一時150円台に下落。ユーロドルは序盤に1.08台前半に下落したが、FOMC後には1.09台に戻した。ポンドドルは1.26台に下げていたが、FOMC後に1.27台後半に上昇した。

(21日)
 東京市場は、ドル円が買い戻された。前日のドル安の流れを受けて序盤には150.27付近まで下落。日銀が10月にも追加利上げを行うとの一部報道や、鈴木財務相が為替相場について「高い緊張感を持って注視する」と発言し、介入への警戒感が強まったことも重石となった。しかし、午後には151円台に戻した、植田日銀総裁が当面は緩和的な金融環境は継続するとの見方を示したことや、日経平均が800円超の大幅高で史上最高値を更新したことが円売りにつながった。ユーロ円も午前に164.35近辺まで下落も、午後には165円台を回復。ユーロドルは1.0939近辺まで上昇も、その後は伸びを欠いた。豪ドルは堅調。2月豪雇用統計の強い結果を受けて、対ドル0.6628近辺、対円は2014年以来10年ぶりに100円台に乗せた。

 ロンドン市場は、ドルも円も振幅。前日の米FOMCが市場の想定よりもハト派的だったことで、ドル売り、株高、円売りなどが広がった。ロンドン市場ではスイス中銀のサプライズな利下げ発表をきっかけにドル買いや円買いなど調整が入っている。インフレ鈍化を背景に、主要中銀に先んじて利下げを実施した。市場では据え置き予想が大勢を占めていた。スイスフランが急落したことがドル高圧力につながり、ユーロドルやポンドドルを押し下げる場面があった。その後はドル買い一服も、東京市場でのドル安水準には戻し切れていない。ユーロドルは1.0880台から1.0940台で、ポンドドルは1.2760台から1.28付近で振幅している。また、欧州株高を横目に、ドル円も151.50手前から一時151円台割れへと反落している。このあとの英金融政策委員会(MPC)の発表を控えて、足元ではポンドの上値が重くなっている。政策金利予想は据え置きが大勢だが、最近の英インフレの伸び鈍化で、メンバーの票割れがハト派方向に傾く可能性が指摘されている。この日発表された一連のPMI速報値ではフランスが弱含んだことにユーロが反応する場面があったが、ユーロ圏全体では改善を示しており、まちまちだった。英PMI速報値は前回とほぼ同水準で反応薄だった。

 NY市場では、ドルが買われた。FRB以上に他中銀の早期利下げ期待が強まったことが背景。前日のFOMCは、回数を減らすのではと見られていたドット・プロット(FOMC委員の金利見通し)が中央値で年内3回の利下げを維持し、パウエル議長の会見もハト派な印象が優勢だった。為替市場はドル安の反応が見られていたものの、その動きは続いていない。本日はスイス中銀が利下げを発表していたが、ECBなど他の中銀の早期利下げ期待がFRB以上に強まっており、相対的なドル高につながったもよう。この日は英中銀金融政策委員会(MPC)の結果が発表になっていたが、これまで利上げを主張して来たマン、ハスケル両委員が据え置きに変更したことで、市場は英中銀の利下げ期待を高めている。ポンドドルは1.26台半ばに下落。ユーロドルは1.08台半ばまで下落。ドル円は一時151.75近辺まで買われた。
 
(22日)
 東京市場では、ドル円が上下動。午前は人民元安・ドル高の流れを受けて買われ、151.86近辺に高値を更新。昨年11月以来、約4か月ぶりのドル高・円安水準となった。しかし、人民元安がアジア株の下落につながると、リスク回避の円買い圧力で151.42近辺まで反落した。植田日銀総裁が参院財政金融委員会で「基調的なインフレ率の上昇が生じてきている」と発言し、追加利上げ観測が強まったこともドル円相場の重石となった。午後は上値重く揉み合っている。クロス円は軟調。ユーロ円は164円台後半から前半へ、リスク動向に敏感な豪ドル円は99円台後半から99円台割れへ、NZドル円は91円台後半から91円手前水準へと下落している。

 ロンドン市場は、ポンドが軟調。ベイリー英中銀総裁が、利下げ前にインフレ率が2%に低下する必要ない、今後の会合で利下げは「In Play」であると述べたことが背景。市場に早期利下げ期待が広がったようだ。総じてドル高や円高の圧力を受ける中で、ポンドドルは1.26台半ばから1.25台後半へと下落。ポンド円は191円台半ばから190円台半ばへと下落。対ユーロでもポンド売りに押されている。ECBについては、ナーゲル独連銀総裁やホルツマン・オーストリア中銀総裁などから、6月の利下げの可能性が高まっていることが指摘されていた。ユーロドルは1.08台半ばから1.08台割れ目前まで、ユーロ円は164円台前半から163円台後半へと軟化した。足元では売り圧力はやや落ち着いてきている。3月独Ifo景況感指数の改善には反応薄だった。ドル円は151円台での振幅。東京午前には151.80台と昨年11月以来の高値水準に買われたが、その後は151.20台まで反落。足元では151円台半ばに戻しての揉み合い。

 NY市場は週末を前に落ち着いた動きとなり、151円台前半の推移となった。目立った指標発表や発言がなく、週末を前にした様子見ムードであった。ロンドン市場で151.01を付けた後のドル買い円売りが続き151円50銭前後まで上昇も、151円台後半を試すだけの勢いに欠けた。ユーロドルは1.0803前後とほぼ安値圏で引けた。ポンドドルは1.2590台と、こちらも上値が重い展開。ドル全般に買いが出ていた。クロス円は対ドルでの下げなどに売りが出た後、少し戻して引けている。ユーロ円は163円49銭を付けた後163円67銭を付けた。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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