アジア株 上海株急落5年ぶり安値、投資家が求めるのは株価下支え策でなない 当局は市場変動阻止誓う
アジア株 上海株急落5年ぶり安値、投資家が求めるのは株価下支え策でなない 当局は市場変動阻止誓う
東京時間14:05現在
香港ハンセン指数 15480.68(-52.88 -0.34%)
中国上海総合指数 2668.22(-61.24 -2.25%)
台湾加権指数 18083.66(+23.73 +0.13%)
韓国総合株価指数 2594.63(-20.68 -0.79%)
豪ASX200指数 7623.30(-76.10 -0.99%)
インドSENSEX30種 72183.69(+98.06 +0.14%)
アジア株はまちまち。
豪州や韓国、香港は下落。米早期利下げ観測後退で投資家心理が悪化している。予想を大きく上回る強い米雇用統計に、パウエルFRB議長が3月利下げに否定的な姿勢を示したことを受け、FRBの最初の利下げは5月か6月との見方が強まった。
香港株は大幅下落して始まったが、約2週間ぶり安値をつけたことから値ごろ感で買い戻されており下げ幅を縮小している。
香港は米ドルとのペッグ制を採用していることから金融政策を米国に連動。そのため、FRBの早期利下げ観測後退で香港の基準金利引き下げ観測も後退している。
豪州株は先週末に史上最高値を更新したことから調整売りに押されている。あすの豪中銀理事会への警戒感も高まっている。
上海株は急落。6営業日続落し2019年2月以来、5年ぶり安値をつけている。
不動産株が全面安。深セン香江控股、京能置業、上海新黄浦置業、済南高新発展、上海実業発展、北京電子城高科技集団、上海大名城企業、華遠地産は10%超下落している。そのほか、ハイテク、消費財、素材、資本財関連も大幅下落している。今週末からの春節大型連休中の個人消費の回復が弱ければ中国株はさらに下落する恐れがある。
中国証券監督管理委員会(証監会)は日曜日に、異常な市場変動を断固として阻止すると誓い、市場を安定させ投資家の信頼を高めるため、さまざまな措置の実施を調整すると発表した。市場操作、悪質な空売り、インサイダー取引などの違法行為を厳しく取り締まるとしている。
ただ、これは投資家をうんざりさせるだけだ。投資家が求めているのは株価下支え策ではなく実体経済に対する強力な景気支援策だ。当局による介入を警戒し下げ渋る可能性はあるものの、投資家が戻ってくることを意味しない。
また、米国との対立も不安視されている。トランプ氏は米大統領に返り咲いた場合、中国製品に対し「60%を超える」関税を課す可能性があると語った。
トランプ氏復活や台湾情勢を受けた米中対立激化懸念、デフレ問題・消費低迷、少子高齢化加速、長引く不動産不況と懸念材料山積みで、たとえ5年ぶり安値をつけたところで、値ごろ感で中国株をわざわざ買い戻す理由は見当たらない。
執筆者 : MINKABU PRESS
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