【これからの見通し】11月はドル安トレンドを形成、継続か反発かの理由付けは後から付いてきそう
【これからの見通し】11月はドル安トレンドを形成、継続か反発かの理由付けは後から付いてきそう
11月に入ってからドル相場は着実に下降トレンドを形成している。ドルの強弱を示す代表的な指数であるドル指数(DXY)は、11月初頭に10+21線がゴールデンクロスを示現した。その後は21日線のレジスタンス、続いて10日線のレジスタンスが確認されている。現在は200日移動平均線の水準まで低下している。7月からの約3カ月に及ぶドル高トレンドのほぼ半分を戻す格好となっている。半値水準から再びドル高方向に切り返すのか、このまま年末にかけてドル安トレンドが継続するのか、テクニカル的な分岐点に達している状況だ。
ドル安材料としては、直接的には米雇用統計や米消費者物価指数の結果を受けたドル売り反応が挙げられよう。また、米10年債利回りが10月に5%の高みに達した後、低下傾向が続いていることもドル売りを誘っている。その背景には、米景気鈍化の兆しを受けて、市場における利上げ打ち止め観測や、来年の早期利下げ開始観測が醸成されたことがあるようだ。
ただ、上記のテクニカルの話題に示されたように、ドル指数は分岐点に達している。どちらにころんでもおかしくはなく、理由は後から付いてきそうだ。年末に向けてポジション調整が入りやすい点に留意される。今週は23日に米感謝祭休日がある。24日も債券市場などは短縮取引となる。週明け早々、ポジション調整色が色濃くなる可能性も指摘されよう。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ドイツ生産者物価指数(10月)ユーロ圏建設業生産高(9月)米景気先行指数(10月)など。米景気先行指数は前月比-0.7%と予想されており、前回と同水準となる見込み。
発言イベント関連では、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、デコス・スペイン中銀総裁、バーキン・リッチモンド連銀総裁、ベイリー英中銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁など発言機会が予定されている。英中銀四半期金融安定報告が発表される。米20年債入札(160億ドル)が実施される。メキシコ市場は革命記念日のため休場となる。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。