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為替相場まとめ10月23日から10月27日の週

為替 

 23日からの週は、ドル相場が上下動。米長期債動向をにらんで神経質な動きをみせた。米10年債利回りが節目の5%を上回る場面があり、ドル高圧力が強まった。ドル円は150円台にしっかりと乗せると150.70台まで上昇、年初来高値を更新した。ただ、高値を付けた直後に150円台割れとなる動きがあり、市場が政府・日銀の介入警戒感に神経を尖らせている面が指摘された。米新築住宅販売件数の大幅な伸びや第3四半期の米GDP速報値の上振れなど、ファンダメンタルズ面からのドル高支援もあった。ただ、週後半には米債利回りが低下している。特段の材料はみられていないが、市場では5%水準を一つのメドとしていた面があり、ポジション調整が進んだ。週末にかけては目立った材料もなく、来週の米FOMCや日銀決定会合などをにらんで揉み合いが続いた。ユーロドルやポンドドルもおおむね米債利回り動向に左右されていた。ECB理事会では大方の予想通り政策金利を据え置いた。PEPP再投資の早期終了などは議論されず。ほぼ無風状態で通過した。ポンドにとっては来週に英金融政策委員会を控えているが、市場では金利据え置きが有力とみているようだ。イスラエルがガザ地区に対する地上戦を開始、各国長期債利回りの上昇、など株式市場にとっては逆風が吹いている。米企業決算シーズン入りしており、今後の業績見通しの変化に市場の関心が注がれた。IT企業間の格差などが指摘されていた。週末にかけては調整の動きが見られ、ドル円は150円台を維持できず149円台半ば前後に落として週の取引を終えた。


(23日)
 東京市場は、ドル円が一時150円台乗せ。週明けオセアニア市場で150.11近辺を付けて高く取引を開始。その後、すぐに149円台後半に値を落とした。149.74近辺まで下押しされたあとは、米債利回りの上昇もあって149.90台での取引に落ち着いた。ユーロドルは朝方1.06台を付ける場面が見られたが、米債利回りの上昇もあってその後1.057近辺3まで下げた。ユーロ円は早朝のドル円の上昇時に159.05近辺の高値を付けた後はじりじりと下げ、昼前に158.52近辺まで軟化。午後は158.60前後で膠着している。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。米10年債利回りが5%の節目水準をしっかりと上回る動きとなったことが背景。東京朝方の4.94%付近からロンドン時間には5.01%台まで上伸し、2007年以来の高水準となった。米金融当局の高金利長期化観測や、地政学リスクを抱えて米財政赤字が一段と拡大することが懸念されるなかで米国債増発の思惑が広がったことなどが利回り上昇につながっているようだ。ただ、ドル買いの動きが通貨ごとにまちまち。ドル円は東京早朝に105.11近辺まで買われたあとは、上昇一服。ロンドン序盤にはややドル安に振れて149.80台へと軟化。その後は150円手前水準へ再び上昇している。ユーロドルは東京時間に1.0570付近まで低下したあと、ロンドン時間には1.06台に乗せる場面があった。その後は1.06を挟んで売買が交錯している。ポンドドルはロンドン朝方に1.2180台へと買われたが、その後は1.2150割れまで反落。上に往って来いの動き。豪ドル/ドルは欧州株や米株先物が軟調、銅先物の下落などを受けて一時0.63台割れと軟調な動きを示した。

 NY市場では、ドルが下落した。ドル円は149.55付近まで一時売られた。一時5%台に上昇した米10年債が急速に下げに転じたことがドル売りを誘発。特に材料は見当たらないものの、10年債利回りの5%は短期的にピークの水準とも見られており、値ごろ感の債券買い戻し(利回り低下)が入ったのかもしれない。今週は来週のFOMCに向けて委員が発言を控えるブラックアウト期間に入っているが、先週のパウエルFRB議長の講演内容からすると、今回は利上げは見送るものの、追加利上げはもうないとの市場の観測には一石を投じていたようだ。加えて、FOMCの前にある日銀決定会合に注目が集まっている模様。展望レポートでのインフレ見通しの上方修正は市場もほぼ確実視しているようだが、それに伴ってイールドカーブ・コントロール(YCC)も修正するのではとの思惑が広がっている。その場合、短期的に積み上がっている円ショートの巻き返しが過度に加速する可能性は警戒される。ユーロドルは一時1.0675近辺まで買い戻された。今週はECB理事会が予定されているが、市場では据え置きが確実視されている。一方、足元のインフレは緩みつつあるとはいえ、なお高水準での推移が続いており、ECBは追加利上げの可能性は残すものと見られている。ポンドドルも買い戻しが膨らみ、1.22台半ばを回復。あすのPMI速報値や雇用統計待ちに。

(24日)
 東京市場は、小動き。前日海外市場で米債利回りが低下したことで、149.60台で取引を開始。朝方は米10年債利回りが4.87%台へ上昇、149.79近辺まで買われた。ただ、日経平均が小幅高からマイナスに転じると円買い圧力も。米債利回りも再び低下。149.50前後へと戻した。午後には149円台後半に戻して揉み合いに。ユーロドルは1.06台後半の22ポイントレンジ。昨日は米債利回りが上昇一服となった局面でユーロ買いとなり、1.0670台まで上昇した。ユーロ円はドル円の底堅さとユーロドルの堅調な動きを受けて159.92近辺まで上昇、160円に迫る動きとなっている。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。米債利回り動向に敏感に反応。序盤にかけては米10年債利回りが一時4.80%割れまで低下、ドル売りが優勢だった。ドル円は149.32付近まで下落。しかし、その後は米債利回りが4.86%付近に上昇すると、ドル円も149.80台へと買われて本日の高値を更新している。ユーロドルは序盤に1.0694近辺まで買われたあとは、売りに押されている。足元では1.0620台へと安値を広げている。この日発表された独仏ユーロ圏などのPMI速報値が景気低迷を示したことが重石になった面もあった。ポンドドルは1.2289近辺まで買われたあとは、売りに転じており、安値を1.2210付近へと広げている。英PMI速報値は欧州ほどの落ち込みはみえていないが、依然として景気判断分岐点50を下回った。序盤は対ユーロで堅調だったポンド相場も次第に上値が重くなってきている。欧州株は売りが先行も、米株先物とともに下げ渋っている。ただ、クロス円は軟調で、ユーロ円は160円手前から159円付近まで下落、ポンド円は183円台後半から183円台割れへと軟化している。
 
 NY市場で、ドル円は149円台後半での小動き。ドル円はNY時間かけてやや買い戻しが出ていた。前日に米10年債が一時5%台に上昇したが、直ぐに4%台に押し戻されたことから、ドル円も上げが一服。米10年債利回りの5%台は短期的にピークの水準とも見られており、値ごろ感の買い戻し(利回り低下)が入っているようだ。ただ、下押す動きもなく、150円をターゲットにした値動きは継続。来週のFOMCの見方については変化はない。今回は据え置きが確実視されているが、パウエル議長は追加利上げの可能性は残すと見られている。ユーロドルはNY時間にかけて戻り売りが優勢となり、1.05台に値を落とした。この日発表のユーロ圏のPMIが予想を下回ったことがユーロドルの上値を圧迫した。ポンドドルは1.21台に伸び悩んだ。本日は英国家統計局が実験データを使って6-8月の英雇用統計を発表。英国は8万2000人の雇用を失ったが、失業率は4.2%の低水準に留まり、労働市場は以前考えられていたよりも若干タイトなことを示唆していた。

(25日)
 東京市場は、小動き。ドル円は149.80から149.92までと前日からのドル高・円安水準に膠着した。ユーロドルは昨日のドル全面高の中で昨日の海外市場で1.07近くから1.0580台まで落とした反動もあり、比較的しっかり。午後に入って1.06台を回復し1.0607を付けている。ユーロ円は158円台後半での推移。上下ともに動きにくい展開。冷え10年債利回りは5%台を付けたことで一服感が広がった。4.805%付近から4.84%付近へと上昇も、値動きは限定的。豪ドルが買われた。第3四半期の豪消費者物価指数が上振れしたことが背景。次回豪中銀会合での利上げ織り込みが60%超となった。豪ドル/ドルは0.6350台から0.6380台まで買われた。ただ、午後には米債利回りの低下が一服し、ドル買いに押されて0.6370台に落ち着いた。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。引き続き米債利回り動向をにらんだ展開となっている。米10年債利回りは4.80%台から4.87%付近へと上昇。ドル指数は再び10+21日線を上回っている。ドル円は149円台後半での取引を離れていないが、一時149.95近辺まで本日の高値を伸ばしている。ユーロドルは東京市場で1.06台に乗せたが、ロンドン時間に入ると上値が重くなっている。10月独Ifo景況感指数が86.9と市場予想や前回値を上回る好結果に一時ユーロ買い反応がみられたが、ドル高圧力には抗せず1.0566近辺に安値を広げた。ポンドドルは1.2176近辺を高値に1.2114近辺までほぼ一方通行で下げている。対ユーロのポンド売りも観測された。クロス円は軟調。ドル円が150円を付けきれないなかで、対ドルではユーロやポンドが下落しており、ユーロ円は158円台後半から158.50割れへと下落。ポンド円は182円台前半から181円台後半へと下落。欧州株や米株先物は長期債利回り上昇が上値を圧迫しているが、底堅さもみられて売買が交錯している。

 NY市場で、ドル円は再び150円台に上昇。取引終盤に、昨年10月以来およそ1年ぶりの高値となる150.31付近まで水準を切り上げた。ただ、駆け上がることもなく、150円台前半で売買が交錯した。本日は強い米住宅指標の発表や、5年債入札が不調だったこともあり、米国債利回りが上昇している。明日のECB理事会や米GDPの発表がドル高を誘発するとの見方も出ている。特に米GDPについては強い数字が予想されており、エコノミストの上方修正も相次いでいる。ただ、慎重な雰囲気に変化はなく、日銀が来週の決定会合でイールドカーブコントロール(YCC)を再修正してくるのではとの観測と、底堅い米経済との綱引きが続いている。ユーロドルは1.05台で上下動。明日はECB理事会が開催される。今回は据え置きが確実視され、声明やラガルド総裁の会見も、特に金利についての言及は限定的になるとの見方が優勢。ポンドドルは1.21台前半に下落。

(26日)
 東京市場では、ドル円が堅調。東京朝方に、いったん150円ちょうど付近まで調整が入る場面があったが、150円割れには沈まず、その後は一転して150.63付近まで上昇した。昨日4.96%台を付けた米10年債利回りは、この日の午後に一時4.98%台まで上昇し、ドル高の動きを支えた。また、日本10年債利回りは2013年以来10年ぶりの高水準となる0.89%台まで一時上昇。鈴木財務相や村井官房副長官の円安けん制発言の影響は限定的だった。ドル全面高のなか、ユーロドルは19日以来1週間ぶりの安値となる1.0540前後まで、ポンドドルは4日以来およそ3週間ぶりの安値となる1.2074付近まで水準を切り下げた。ユーロ円は午前に158円台半ばまで弱含んだあと、午後は底堅く推移した。豪ドルは下げ一服。早朝にブロック豪中銀(RBA)総裁が前日発表された豪消費者物価指数についてほぼ予想通りとの認識を示したことを受け、豪追加利上げ観測がやや後退。

 ロンドン市場は、ドル相場が神経質に振幅。米債利回りの上昇を受けてドル買いが先行した。その後は米債利回りの上昇一服とともにドル買いも一服。しかし、足元ではドル相場に底堅さもみられている。前日の米新築住宅販売が予想以上の強さを示したことがドル買いを誘ったことは記憶に新しいが、きょうはさらに注目度の高い第4四半期の米GDP速報値が発表される。市場予想は前期比年率+4.5%と前回の+2.1%の倍以上の伸びを想定している。ECB理事会では政策金利据え置き見通しが広がっており、米欧金利差への思惑でユーロドルは売られやすい面があるようだ。朝方に安値を1.0530付近に広げた後の戻りは1.0550台までにとどまっている。ポンドドルも1.20台後半での取引に終始しており、1.21台は重い。動きが激しかったのがドル円相場だ。朝方に150.78近辺まで上昇、年初来高値を更新した。しかし、その直後に150円台割れまで急落。すぐに150.60付近まで戻す動き。足元ではやや上値を抑えられて150円台前半で推移している。欧州株や米株先物が軟調であることや、政府・日銀の為替介入への警戒感がドル円の上値を重くしているもよう。クロス円も上値が重い。ドル円の乱高下とともに振幅したあと、ロンドン時間にはユーロ円は158円台後半から前半へ、ポンド円は182円台乗せから181円前半へと軟化している。

 NY市場は、ドル買い一服。ドル円は150円台前半に伸び悩んだ。ただ、150円台は維持した。第3四半期の米GDP速報値は個人消費がけん引し、4.9%増と強い内容となった。強かった事前予想をさらに上回り、2021年以来の急成長となった。しかし、市場では米国債利回りが下げ、為替市場はドル売りの反応を見せた。多くのエコノミストは、借入コストが高額商品の購入を制限し、学生ローン返済も再開されるため、第4四半期の成長は鈍化を予想している。今回の強い数字をもってしても、来週のFOMCでの金利据え置くとの市場の見方に変化はないようだ。ユーロドルは1.05台前半まで一時値を落としたが、1.0560付近まで買い戻されている。この日はECB理事会が開催され、予想通りに中銀預金金利を4.00%に据え置いた。ECBは声明で「金利をこの水準で十分に長く維持すれば、インフレを目標の2%に戻すことに大きく貢献するだろう」とあらためて強調し、2022年7月から10回連続の利上げサイクルの終了を示唆している。ただ、ECBは金利据え置きは今後の利上げは一切ないという意味ではないと説明したが、市場は終了と見ているようだ。市場の注目はパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)で購入した資産の早期縮小だったが、こちらも議論はしなかったとし、2024年末の再投資停止を再確認と繰り返し述べていた。利下げについては時期尚早と否定。ポンドドルはNY時間に入って下げ渋る動きを見せ、1.21台に戻した。

(27日)
 東京市場は、円安の動きにやや調整が入った。来週に米FOMCや日銀決定会合などの注目イベントを控えて、いったん週末調整が入る格好となっている。ドル円は150円台前半での揉み合いのなかで、次第に上値が重くなり取引終盤には150.08近辺まで軟化した。ユーロ円も158円台後半から158.50付近へと上値重く推移している。ユーロドルは1.0560前後での揉み合いで、動意は限定的となった。そのなかで、豪ドルは強含み。序盤に発表された豪生産者物価指数の前期比が前回値を上回ったことや、日経平均の上昇からリスク動向に敏感な豪ドルが買われ、豪ドル/ドルは0.6351付近まで、豪ドル円は95.32付近まで一時上昇した。

  ロンドン市場は、週末調整ムードが広がっている。米10年債利回りが4.84%台から4.88%台で方向感に欠ける上下動となるなかで、為替市場ではややドル売りが入っている。ドル円は東京朝方の150.40近辺を高値に上値重く推移、ロンドン序盤には150円台割れとなる場面があった。豪ドル/ドルは0.63台前半から0.6350超え水準へと買われている。一方、ユーロドルやポンドドルは方向性を示していない。ユーロドルは1.0540台から70付近ポンドドルは1.2110台から40台での上下動となっている。クロス円はドル円とともに軟調で、ユーロ円は158円台後半から前半へと軟化。ポンド円は182円台前半から一時182円台割れとなっている。米株先物は先日の下落から反発し、プラス圏での揉み合いに。欧州株は英独市場が買われるも、仏市場は軟調とまちまち。イスラエルのガザ地上戦が始まるなかで、NY原油先物は85ドル台へと買われている。

 NY市場はロンドン市場からの調整ムードが継続。中東情勢警戒の動きなども見られ、ダウ平均が朝の小幅安から下げ幅を広げる展開となり、金スポットが5月以来の1オンス=2000ドル超えを付けるなどの動きの中、円買いの動きが広がった。ドル円はNY市場午後に入っても売りが続き149円50銭をい©時事割り込んだ。クロス円も軒並みの下げとなっており、対ドルでのユーロ買いにNY午前に158円50銭超えを付けたユーロ円が158円割れ、東京市場で182円台半ばを付けていたポンド円が181円05銭を付けるなど軒並み下げていた。ユーロドルはドル安局面で1.06をトライする動きとなったが、1.0597までにとどまり、その後対円での売りもあって少し調整が入った。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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