【これからの見通し】ドル安一服、中東地政学リスクでリスク回避の動き 原油は急伸
【これからの見通し】ドル安一服、中東地政学リスクでリスク回避の動き 原油は急伸
先週末の米雇用統計を通過して、ドル相場はドル安方向に振れて週末を迎えた。しかし、中東地域での地政学リスクの発生で週明けにはリスク警戒のドル買いの動きが入っている。ハマスのイスラエル攻撃に端を発して、イスラエルが報復反撃、さらに米空母打撃群が中東湾岸に派遣される事態となっている。イスラエルと米国、ハマスとイランの関係性が深く、再び米国とイランの緊張が高まる事態が懸念されている。
為替市場ではリスク回避のドル買いや円買いの動きで週明けのスタートとなっている。リスク動向に敏感な豪ドルなどオセアニア通貨が軟調に推移している。ただ、為替市場の値動きは比較的穏やか。先週末までのドル安の動きが一服する程度となっている。一方で、原油相場は敏感な反応を示しており、NY原油先物は82ドル台後半の先週末終値から週明けには84円台後半で値が付き、時間外取引で87.24ドルまで急伸している。足元では86ドル前後での推移。
また、大型連休明けの中国市場では、上海総合指数が一時1.2%安と下落した。その後は中国人民銀が7日物リバースれぽーで200億元を供給したことなどで下げ渋っている。ただ、引き続きマイナス圏推移は脱していない。大型連休での消費が期待ほどではなかったとの報道もあり、中国関連の動向もリスク回避的な材料となっているようだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、メキシコ消費者物価指数(9月)が発表される程度。米国はコロンブスデーのため債券市場が休場、カナダは感謝祭のため休場となる。
発言イベント関連は、デギンドスECB副総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁、デコス・スペイン中銀総裁、ローガン・ダラス連銀総裁、バー米FRB副議長、ジェファーソン米FRB理事、マン英中銀委員などの講演やイベント参加が予定されている。
新たに勃発した中国での地政学リスクに対して欧州や米国勢がどのような反応をみせるのかが、今日の焦点となりそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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