ドル円、下に往って来いの展開 リスク回避が一服=NY為替概況
ドル円、下に往って来いの展開 リスク回避が一服=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は下に往って来いの展開。序盤はドル安が優勢となり、ドル円も153円台に下落。前日や前々日の動きで155円台の上値抵抗が強いことが確認され、市場にリスク回避の雰囲気が流れていたこともあり、ドル円もロングの調整が出ていた。
しかし、円キャリー取引への期待は根強く、下値では押し目を拾う動きも見られていた。そのような中、次第にドル円は買い戻され、朝方の下げを取り戻す展開。米株式市場でIT・ハイテク株に買戻しが入り、ナスダックが大幅安からプラスに転じる中、ドル円も下げ渋っている。
ただ、本日は買い戻されたものの、テクニカル的にドル円を155円台に押し上げたのはやや行き過ぎに見え、一時的な調整が起こってもおかしくはないとの見方も出ている。
また、市場は来年にかけて、FRBの追加利下げが行われると見ている。そのような中で、FRBは足元で利下げに慎重なトーンではあるが、ドルは下落リスクを内包しているとの指摘も出ていた。もっとも、それは今後発表される経済指標の強弱の度合で決まるという。
ユーロドルは1.16ドル台で上下動。方向感のない値動きに終始していた。ストラテジストは、ユーロドルは直近の上昇後、これ以上上値を伸ばす余地は限られていると指摘している。すでに割安感は修正されており、米経済指標が弱い内容でもならない限り、短期的な上昇余地は限定的と見ているという。
きょうのポンドドルはNY時間に入って下げ渋り、1.31ドル台半ばに買い戻されている。一時1.3105ドル付近まで下落。一方、ポンド円もドル円の下げもあって、一時202円台半ばまで下落したものの、203円台半ばに戻す展開。21日線はしっかりとサポートされている。
本日は、リーブス英財務相が来週26日に発表する予算案に所得税率引き上げを盛り込む計画を断念したと伝わった。歳入不足をどう補うのか、市場では疑問が広がっている。この報道を受けて、英中銀の利下げ期待は後退したものの、ポンドは売り優勢となった。エコノミストは、ディスインフレ政策の資金調達の確実性が低下したほか、より広範には、前倒しの財政引き締めの規模について確信が持てなくなったと述べている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。