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為替相場まとめ6月26日から6月30日の週

為替 

 26日からの週は、ドル高と円安の動きが際立った。両面からの支援でドル円は143円台から145円台まで緩やかかつ着実に上昇している。日本政府からは連日、円安けん制発言があり、昨年9月の円買い介入が実施された145円にも到達しているが、大きな調整は入らず。注目されたECBフォーラムでの植田日銀総裁、パウエルFRB議長、ラガルドECB総裁、ベイリー英中銀総裁による討論会では、日銀の大規模緩和姿勢と、その他中銀の金融引き締め継続姿勢の対比がより一層鮮明となった。植田総裁はジョークを交える余裕をみせており、市場に緩和継続が揺るぎないとの印象を与えたようだ。金曜日発表の東京都区部消費者物価の伸びが落ち着いたことが、日銀の緩和継続の長期化観測につながった面もあった。また、一連の米経済指標の強さがドル高圧力となり、特に週後半にはドル買いの動きが強まっている。ドル円の上昇とともにユーロドルは1.09台から1.08台へ、ポンドドルは1.27台から一時1.26台割れまで下落した。


(26日)
 東京市場は、ドル円がやや上値重く推移。先週末に143.87近辺まで買われたあと、週明けは調整の入っている。中国市場で元安が進行したことをきっかけにリスク回避の動きが広がった。NY原油先物が下落、アジア株が軟調に推移。ドル円は143円台での上下動も、上値は143.60付近で抑えられ、午後には143円台前半で取引されている。ユーロ円は156円台後半から前半へと調整。ただ、全般的に円買いの動きは限定的で、先週末にみられた円売り圧力が残る形となっている。ユーロドルは1.0900付近での小動き。人民元は軟調。1ドル=7.20元を上回り、7.2197近辺までドル高・元安が進んだ。

 ロンドン市場は、円買いが優勢。東京午前の神田財務官に続いて夕刻には松野官房長官も、円安の動きに警戒感を示している。いわゆる口先介入が円買いの反応を広げた。ドル円は143円台半ばから一時142.94近辺まで下押しされた。クロス円も下げており、ユーロ円は156円台割れ、ポンド円は182円台割れとなる場面があった。また、先週末の米株安を受けて週明けの株式市場も軟調。欧州株や米株先物が上値重く推移しており、リスク警戒的な円買い圧力も根強い。ユーロにとってはこの日発表された6月独Ifo景況感指数が予想以上の悪化を示したことが重石に。企業担当者へのアンケートではドイツ第2四半期GDPが再びマイナス成長に陥る可能性が高まってきているとした。一方で、独連銀月報ではドイツ経済は底打ちし、第2四半期は微増となる見通しと見方が分かれた。ユーロドルは1.09を挟んで下に往って来い。ユーロは対ポンドでも序盤の下落を消している。一方、対円では引き続き円高圧力が優勢で、ユーロ円は156円付近で上値を抑えられている。

 NY市場では、ドル円が再び買われた。NY時間に入ると143.70近辺まで一時上昇。きょうは戻り売りに押され、一時142円台に値を落とす場面も見られていた。週明けの東京市場では日本の当局からの口先介入が複数伝わり、過熱感も出ていたドル円は一旦利益確定売りが出た格好。しかし、下値では押し目買いも活発に入り143円台は維持されている。米商品先物取引委員会(CFTC)の最新データによると、短期筋は円の売り越しを拡大し続けている状況。ユーロドルは1.09ちょうど付近で方向感に欠ける、狭い範囲での値動きが続いた。いまのところ、7月のECBの利上げはほぼ確実視されているものの、夏休み明けの9月についてはなお見解が分かれている。短期金融市場でも概ね半々で織り込んでいる状況。ポンドドルも1.27を挟んでの小幅の値動きに終始している。先週の重要イベントを通過して、次の材料を待っている模様。投資家はポンド高に賭けているが、それは成長リスクを無視している可能性があるとの指摘が出ている。

(27日)
 東京市場で、ドル円は下に往って来い。午前に143.29近辺まで下落も、午後にはロンドン勢の参加を受けて143円台後半へ上昇。円と同様に対ドルでの売りが目立っていた中国人民元が、中国人民銀行による対ドル基準値の元高設定をきっかけに元買いに転じ、中国国有銀行によるオフショア人民元市場でのドル売り・元買いが報じられたこともあって、大きく元高となった。香港ハンセン指数の大幅上昇なども見られ、中国買いの動きがリスク選好につながる形となった。ユーロ円は156.80台、ポンド円は182.80台まで買われた。ユーロドルは1.0902前後まで軟化した後、午前中に1.0935まで上昇する場面が見られた。その後は少し戻しての揉み合い。

 ロンドン市場は、ユーロ買いが優勢となるなかで、ドル円が144円に迫った。複数のECB高官からタカ派姿勢が示された。ラガルドECB総裁は、「7月利上げを表明、必要な限り利上げを続ける、あまりにも急激な政策転換への期待は防ぐ必要、金利がピークに達したとすぐに言うことできず」などと発言しており、市場にECBの利上げが長期化するとの印象を与えた。ドル円はユーロ円とともに買われて一時143.94レベルと年初来高値を更新した。しかし、144円台には届かず143円台後半で上げ一服。政府・日銀による為替介入への警戒感があるもよう。ユーロドルはECB後半のタカ派姿勢を受けて買われ、1.09台前半から1.0950台へと高値を伸ばしている。ユーロ円は157円台乗せから157.45近辺まで買われて、その後も高止まり。その他主要通貨はまちまち。ポンドは1.2758近辺まで買われたあとは、対ユーロでの売り圧力もあって1.27台前半に押し戻されている。ポンド円の上昇は緩やかだが、高値を183.12近辺まで広げている。豪ドルは対ドル0.87台割れ、対円96円付近などまで反落しており、ECB利上げの長期化が警戒感を広げているようだ。

 NY市場で、ドル円は144円台に上昇。この日発表の米経済指標が予想外に強かったことで、米国債利回りの上昇と伴にドル円に買い戻しが膨らんだ。耐久財受注・速報値やコンファレンスボード消費者信頼感指数などが強含んだ。ドルに買い戻しの動きがみられ、ユーロドルは.1.09台後半から前半へと一時下落。ただ、ユーロ自体の強い流れもあって1.09台半ばから後半へと下げ渋った。ラガルドECB総裁のタカ派発言がユーロ買いの背景。ポンドドルは緩やかに1.27台半ばまで上昇。先週から調整が続いていたが、きょうはその動きも一服している。今週はポルトガルのシントラでECBフォーラムが行われているが、ラガルドECB総裁を始め、植田日銀総裁、パウエルFRB議長、ベイリー英中銀総裁が明日のフォーラムで討論会を行う。現地時間の午後、日本時間では28日22時半頃に討論会は始まる。日銀以外は当初の想定以上に利上げを継続するタカ派姿勢を強調している一方、日銀は緩和姿勢の継続を強調している。その格差を確認する内容となるか注目される。

(28日)
 東京市場で、ドル円は揉み合い。主要通貨は総じてこの後22時半のパウエルFRB議長、ラガルドECB総裁、ベイリー英中銀総裁、植田日銀総裁のパネルディスカッション待ち。金融引き締め姿勢を米、欧、英が示してくると見られ、ドル円、クロス円ともにしっかりの動きが期待されているが、植田日銀総裁がYCC修正についての言及をしてくる可能性が意識されていることもあり、イベント前に外貨買い・円売りを進めにくい状況となっている。ドル円は調整主導で144円ちょうど近辺から143.73近辺まで下落も、日経平均の大幅高とともに144円台を回復。ユーロ円は157.40台から157.70付近までの振幅。ポンド円は183.07近辺から183.30前後での揉み合い。ユーロドルは1.0950付近での取引に終始している。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。NZドル、豪ドル、カナダドル、ポンドなどに対するドル買いが鮮明。ただ、米債利回りは低下、欧州株は堅調に推移と目立ったドル買い材料はみられていない。このあとのNY時間にはECBフォーラムの目玉イベントとして米FRB議長、日銀総裁、ECB総裁、英中銀総裁による討論会が開催される。注目イベントを控えたポジション調整の色合いが濃かったようだ。ドル円は一時144.25近辺まで買われ、年初来高値を更新も、その後は143.80台まで反落するなど144円を挟んだ上下動。やや円買い介入が意識された面も。ユーロドルは序盤に1.0936近辺まで下押しされたあとは1.0960付近に反発と方向性に欠けている。ポンドドルは1.27台前半から1.2680台まで下落、上値が重い。豪ドル/ドルは同国インフレが予想以上に鈍化したことで東京時間に0.66台後半から0.6620付近まで下落。その後は0.66台前半での揉み合いが続いている。NZドル/ドルは豪ドル以上に軟調で、0.61台を割り込んでいる。一連のECB高官らの発言が報じられた。デギンドス副総裁、レーン・チーフエコノミスト、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁など多くのメンバーはタカ派姿勢を鮮明している。ただ、9月利上げについては不透明との論調が多い。センテノ・ポルトガル中銀総裁はすでにターミナルレートに近づいていると過度の引き締めに警鐘を鳴らした。

 NY市場では、ドル円の上値追いが継続。一時144.60近辺まで上昇する場面があった。ただ、本日については、これまでの円安というよりもドル高がドル円を押し上げている。きょうはポルトガルのシントラで開催されているECBフォーラムで日米欧英の各中銀総裁の討論会が行われていた。為替市場は売買は交錯したものの大きな動きまでは出ていない。パウエルFRB議長は「連続利上げの可能性を選択肢から外さず」とタカ派姿勢に言及する一方、植田日銀総裁は「基調インフレは目標を下回る。円は世界の政策など多くの要因に影響される」などと緩和継続姿勢を強調していた。これを受けてドル円は144.60円近辺まで上昇したが、大方の予想通りで目新しいヒントは何もなかった。ユーロドルは1.09台前半に下落、ポンドドルは1.26台前半まで一時下落。ユーロドルは7月以降のECBの動向を探る展開となっている。最近の金利の急上昇が英経済に打撃を与え、ポンドは下半期に弱含みで推移する可能性が高いとの指摘が聞かれる。

(29日)
 東京市場では、ドル円が振幅。午前は前日の海外市場でパウエルFRB議長のタカ派発言からドル高が進み、昨年11月以来およそ7カ月ぶりの高値となる144.62付近まで上昇した。その後は、日本政府による為替介入への警戒感などから伸び悩み、一時144.14付近まで軟化した。午後には米10年債利回りの上昇や米株価指数先物の時間外取引の上昇などを受けて再び144.60付近まで上昇。ユーロドルは軟調に推移。午後のドル高局面で下値を広げ、23日以来およそ1週間ぶりの安値水準となる1.0881付近まで下落した。ユーロ円は、午前に一時157.25付近まで軟化したあと、ユーロドルの下げもあって戻りは鈍く、午後はこの日の安値圏でもみ合う展開となった。5月の豪小売売上高の好調な結果を受けて豪ドル/ドルは0.6627付近まで上昇したが、午後は0.6610前後で小動き。豪ドル円は95円半ば前後でもみ合いとなった。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。東京市場で進んだドル高の流れを帳消しにしている。ドル円は東京朝方に144.14近辺まで下押しされたあとは買いの流れが続いた。ロンドン朝方には144.70レベルと年初来高値を再び更新した。しかし、一気に144.20付近へと急反落。市場は昨年の円買い介入時に意識された145円に接近したことでかなり神経質な動きをみせている。急反落した後のタイミングで、鈴木財務相から定番の円安けん制発言が報じられている。ユーロドルも下げを消す動き。1.0922近辺に安値を広げたあとは買戻されて1.0930付近へ上昇。ポンドドルも1.2615近辺に安値から反発して高値を1.2660台へと伸ばす動き。パウエルFRB議長はスペイン中銀のイベントで、昨日に続いてタカ派姿勢を示したが、ドル買い反応は限定的だった。欧州株は英株が軟調、独仏株が堅調とまちまち。米債利回りは東京市場から引き続き上昇傾向。原油先物は堅調な動き。リスク動向は比較的安定している。ユーロ円は一時158円に接近したが、ドル円の反落とともに157円台半ばへと戻している。ポンド円も182円台での上下動と方向性に欠ける動き。
 
 NY市場では、ドルが買われた。朝方発表の米GDP確報値の上方改定や米新規失業保険申請件数が米労働市場の強さを示したことなどが背景。ドル円は一時144.90近辺まで上昇、財務省が昨年に円買い介入を実施した145円の水準を試す動きが続いている。市場は依然として各国中銀の金融格差に焦点を当てた値動きを続けており、前日のECBフォーラムでの植田日銀総裁とパウエルFRB議長の金融政策への格差を再確認したことで、ドル円はさらに勢いづいている格好。財務省の口先介入もあり、ロング勢も上値に慎重にはなっているものの、上値攻めのタイミングを見計らっている面のほうが強いようだ。ユーロドルは1.08台に下落、ポンドドルは一時1.26台割れとなる場面があった。ユーロにとってはあすの6月ユーロ圏消費者物価指数・速報値が注目材料。ECBは7月利上げは確実視されているが、9月については見方が分かれている。インフレ動向如何では9月の追加利上げ観測が高まることに。ポンドについては根強いインフレにより英中銀がタカ派姿勢を強めており、金利差拡大観測と景気減速懸念が交錯している状況。ベイリー英中銀総裁のECBフォーラム発言で、利上げ継続姿勢があたらめて確認されている。

(30日)
 東京市場で、ドル円は節目の145円台をつけた。しかし、その後は調整主導で144円台に押し戻されている。朝方にドル円が買われた背景には、仲値に絡んだ円売りや、6月の東京消費者物価指数が予想を下回る伸びに留まったことが指摘された。145.07レベルと7カ月ぶりのドル高・円安水準となっている。大台超えを果たしたこともあり、高値からは調整売りの動きが広がった。鈴木財務相による行き過ぎた動きには適切に対応との発言も、ドル売り・円買いを誘った。145円超えトライで上昇した分を打ち消して144.60台へと軟化した。ユーロ円は157.58近辺まで上昇したあとは157円台前半での揉み合いに。ユーロドルは前日の海外市場で米指標の強さを受けて1.09台前半から1.08台後半へと下落した。東京市場でも1.08台後半と前日からの安値圏での揉み合いが続いた。

  ロンドン市場は、ドル円の上昇が一服している。東京午前に7カ月ぶりの高値145.07近辺まで買われたあとは、ポジション調整や介入警戒感などで上値重く推移している。ロンドン朝方には144.44近辺まで下押しされた。その後は、米債利回りの上昇がドル相場の下支えとなり144円台後半で売買が交錯している。欧州通貨はまちまち。ポンドが堅調な一方で、ユーロが軟調。ポンドドルは1.2599近辺まで下押しされたあとは1.2650付近へと上昇。ユーロドルは1.0870台から一時1.0835近辺まで下落、その後は1.08台半ばと戻りは鈍い。英GDP確報値が前期比0.1%とプラス成長確定となる一方、ドイツ雇用統計では失業率が上昇、失業者数が予想以上に増加、ユーロ圏消費者物価速報は前年比+5.5%と前回の+6.1%から鈍化した。ユーロポンドは軟調に推移している。インフレ鈍化などを受けて欧州株は堅調に推移しているが、ポンド円が182円台前半から一時183円台乗せと堅調である一方で、ユーロ円は157円台割れから一時156.70付近まで下落している。

 NY市場のドル円は利益確定売りに押され、144円台前半に伸び悩んだ。円買いというよりもドル売りがドル円を押し下げている。この日発表の5月のPCEコアデフレータが予想を若干下回ったことでドル円の戻り売りに拍車をかけた。コアデフレータは前年比4.6%と予想を下回り、前回からも若干鈍化した。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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