強い英PMIでポンド急伸、総じてドル高地合いも神経質な動きに=ロンドン為替概況
強い英PMIでポンド急伸、総じてドル高地合いも神経質な動きに=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ポンドが急伸している。この日発表された欧州や英国のPMI速報値で、欧州は製造業が悪化、非製造業が改善とまちまちだったのに対して、英国ではいずれも改善する強い内容だったことがポンド買いにつながった。それまでは米債利回りの上昇を受けてドル買いが先行、ドル円は134円台前半から134.85近辺へ、ユーロドルは1.06台半ば、ポンドドルは1.20付近へと上値重く推移した。一連のPMIでは、まずフランスが製造業が冴えないものの非製造業、総合指数の改善を受けてユーロが買われた。ユーロドルは一時1.0689近辺、ユーロ円は143.99近辺まで上昇。しかし、ドイツやユーロ圏PMIでも同傾向の内容となるとユーロが反落、ユーロドルは1.0640台、ユーロ円は143.50割れへと反落。ポンドドルも1.20台割れへと連れ安になった。英PMI速報値は製造業、非製造業がいずれも改善をみせ、市場は一気にポンド買いに走った。ポンドドルは1.20台割れから1.2114近辺へ、ポンド円は161.50付近から162.90付近へ急伸した。対ユーロでもポンドが買われている。ユーロドルは1.0560挟みの振幅、ドル円は134円台半ばから後半で売買が交錯している。ドル指数は前日終値水準を上回っており、ドル高地合いは維持しているが、方向性には欠けている。独ZEW景況感は改善したが、現況指数は引き続き低水準でユーロ相場は反応薄だった。
ドル円は134円台後半での取引。序盤にかけては米債利回り上昇とともに買われ、高値を134.85近辺に更新した。しかし、その後はポンドドル急伸や米債利回りの上下動などで134.50割れまで反落。足元では再び米債利回りが上昇、134円台後半へと下げ渋っている。
ユーロドルは1.06台半ばでの取引。東京市場でのじり安の流れを受けて、1.0650台へと軟化。その後は仏PMI速報値で非製造業が改善したことを受けて1.0689近辺に高値を伸ばした。しかし、ドイツとユーロ圏のPMI発表では買いが一服し1.0643近辺に安値を広げた。ポンドドルの急伸を横目にユーロドルは1.06台半ばから後半で売買が交錯している。ポンド円は上に往って来い。序盤に買いで143.99近辺に高値を伸ばしたあとは、一気に143.50割れまで反落。上げを消している。対ポンドではユーロ売りに押されている。欧州のPMIは悪くない内容だった。独ZEW景況感指数も改善。しかし、英国のPMIが際立って強かったことで、対ポンドでのユーロ売りが強まった格好。
ポンドドルは1.20台後半での取引。序盤には1.20台割れへと軟化したが、英PMI速報値発表で一気に流れが反転。製造業と非製造業いずれも改善する強い内容となったことで1.21台乗せから1.2114近辺まで高値を伸ばした。ポンド円は161.50付近に小幅軟化したあと、一気に162.92近辺まで買われた。ユーロポンドは0.8880近辺から0.8810近辺へと下落。いずれもポンド高水準に高止まりしている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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