ドル円、154円台後半に上昇 想定よりタカ派な議事録や強い米指標でドル高が加速=NY為替概況
ドル円、154円台後半に上昇 想定よりタカ派な議事録や強い米指標でドル高が加速=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は154円台後半まで買い戻された。本日の為替市場はドル高が優勢となり、ドル円も上値を拒んでいた154円ちょうどの水準を突破し、154円台後半まで一気に駆け上がった。
この日の米経済指標が予想を上回る強い内容が相次いだことや、午後のFOMC議事録が想定以上にタカ派的と受け止められたことがドルを押し上げた。特に、数名が「インフレが目標を上回る状態が続くなら、“利上げ”も適切となり得る」とした点が特徴的だった。なお、1月にNY連銀がドル円でレートチェックを実施したことを正式に認めていた点も特徴的ではあった。
ただ、ドル円の上値に慎重な声も少なくない。このところ日本株が力強い値動きを続けているが、日本の資産へのセンチメントが改善しており、それが円の戦術的な反発を促す可能性があるとの指摘が出ている。日本の30年物国債利回りは1カ月で0.47%ポイント低下し、高市首相の積極財政への懸念にもかかわらず円は下支えされている。
背景には日米の名目および実質金利差の縮小があり、円キャリー取引が次第に魅力が薄れているという。日米の金利差はさらに縮む見通しで、モデルでは円は実質金利差から計算すると約13%割安だという。それでも円ショートは依然多く積み上っており、ショートカバーの余地は十分にある状態。さらにFRBの追加利下げや政治的要因からのドル安志向も今後、円買い戻しの追い風になる可能性があると指摘している。
ユーロドルは1.17ドル台に下落。本日の21日線が1.18ドル台半ばに来ており、下放れる展開が見られている。1.18ドルちょうど付近に強い下値抵抗が観測されていたが、ブレイクしている。一方、ユーロ円はドル円の買戻しに追随し、182円台半ばに上昇。100日線でサポートされており、上昇トレンドに復帰できるか注目される。
本日はラガルドECB総裁が任期満了待たずに退任する意向との報道が伝わっていた。任期は来年の10月に満了する。ラガルド総裁は、マクロン仏大統領とメルツ独首相が次の総裁の選任に動けるよう、来年4月の仏大統領選の前の退任を望んでいるという。仏大統領選の結果で、極右政党の大統領が誕生した場合、人事調整を避けるため、ユーロ圏の各国政府は早期の後任選びに動くと考えられている。後任候補には、シュナーベルECB理事(ドイツ)が有力視されているほか、ナーゲル独連銀総裁も意欲を示している。
為替市場では以前から観測は流れていたが、上記の候補者の場合、よりタカ派的なECB体制への道を開く可能性はある。ただ、それ自体への本日のユーロの反応は限定的だった。仮に報道が確認されたとしても、市場への影響は大きくはないとの声も聞かれる。なお、ECBは報道を否定していない。
ポンドドルは、一時1.34ドル台に下落。21日線を下放れる展開が続いており、目先は1.3445ドル付近に200日線が来ており、試しに行きそうな気配も出ている。一方、ポンド円は逆にドル円の上げに沿って上昇しており、209円台に上昇。100日線がしっかりとサポートされている状況。
ただ、本日はロンドン時間に1月の英消費者物価指数(CPI)が発表され、総合指数は前年比3.0%とインフレの鈍化傾向を示した。短期金融市場では英中銀の追加利下げ期待が高まり、3月の利下げ確率は80%程度まで上昇している。
しかし、ポンドは逆に買いの反応を見せ、ポンドドルは一時1.35ドル台後半に上昇。一部からは、3月利下げはなお確実ではなく、基調的な物価圧力は残存しているとの見方も出ていた。エコノミストは「基調的な物価圧力が根強いことから、英中銀は3月利下げを見送る可能性がある」と指摘。コア指数は3.1%と予想の3.0%を上回っていた。英中銀が注目するサービスインフレも4.4%と高止まりしている。同エコノミストは「労働コストに最も敏感なインフレ項目は、依然として安心できる水準よりやや高い」と述べている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。





