【これからの見通し】米CPIは今回FOMCでの50bp利上げを裏付け、焦点はターミナルレートへ
【これからの見通し】米CPIは今回FOMCでの50bp利上げを裏付け、焦点はターミナルレートへ
昨日は注目の米消費者物価指数が発表された。結果は前年比、コア前年比ともに市場予想および前回値を下回った。米債利回りが急低下、ドルが急速に下落した。今日発表される年内最後の米FOMCでの50bp利上げ観測を裏付ける内容だった。
ただ、CMEフェドウォッチによると、今回のFOMCではまだ2割程度が75bp利上げ観測を支持している。現時点での短期金融市場でのターミナルレート見通しは、来年5月に4.836%となっている。CPI発表前の12日時点では4.978%だった。
市場の見方も定まらない状況がみてとれる。きょうのFOMC後のメンバーらの金利見通しとパウエルFRB議長会見である程度の見方が示されることとなろう。
インフレ率の伸び鈍化とはいってもまだ前年比7.1%と極めて高水準であることは確かだ。インフレ目標へと数字を抑え込むためには、利上げ継続の必要性が議長から明言されるだろう。昨日の米CPIでややハト派方向に傾いた市場心理が、揺り戻される可能性も留意しておきたい。
ロンドン早朝には一連の英物価統計が発表される。11月消費者物価指数は前年比10.9%と予想されており、前回の11.1%からは伸びが鈍化する見込み。ただ、米国以上に高水準だ。先日の英雇用統計では賃金の上昇が一段と加速していた。米国以上にインフレ退治が困難な状況となっている。あすの英金融政策委員会(MPC)では50bp利上げが市場のコンセンサスとなっている。注目は各委員の利上げ幅に関する票割れとなりそうだ。現時点では据え置きから75bp利上げまで意見が分散する可能性が指摘されている。
また、英統計局はデータ不備によって今日発表予定だった11月英生産者物価指数を1月に延期するとしている。
この後の海外市場で発表される経済指標は、上記のほかには南アフリカ消費者物価指数(11月)、南アフリカ小売売上高(10月)、ユーロ圏鉱工業生産指数(10月)、米MBA住宅ローン申請指数(12/03 - 12/09)、米輸入物価指数(11月)などが予定されている。その他イベントでは、米週間石油在庫統計が発表される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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