FX/為替「136円台後半が重い 米リセッション懸念再燃で」 外為トゥデイ 2022年6月23日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年6月23日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼22日(水)の為替相場
(1):資源価格下落で豪ドル安
(2):英インフレは約40年ぶり高水準
(3):FRB議長が米上院で証言
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値は重いが下値も堅い/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
22日(水)の為替相場
期間:24日(火)午前6時10分~25日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):資源価格下落で豪ドル安
中国の供給過剰観測などを背景に鉄鉱石先物価格が下落。世界的な景気後退への不安でNY原油(WTI)も軟調に推移した。資源安を受けて豪ドルにも下落圧力がかかった。
(2):英インフレは約40年ぶり高水準
英5月消費者物価指数(CPI)は前年比+9.1%と予想通りに約40年ぶりの高水準へと上昇が加速した。発表直後のポンドの反応は限定的だったが、景気後退への懸念から英長期金利が大幅に低下するとポンド売りが強まった。
(3):FRB議長が米上院で証言
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は上院銀行委員会での証言で「FRBはインフレ率2%への回帰に強く取り組む」とし「継続的な利上げは適切で利上げ決定は会合ごとに行う」と発言。その上で、米経済のソフトランディング(軟着陸)については「我々の目標だ」としながらも「非常に困難なものになるだろう」との認識を示した。米長期金利が低下する中、ドルは上値の重い展開となった。一方、クロス円はストレートドルの上昇を支えに強含んだ。
22日(水)の株・債券・商品市場
外為注文情報
【情報提供:外為どっとコム】
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本日の見通し
ドル/円の見通し:上値は重いが下値も堅い
昨日のドル/円は、24年ぶり高値更新後に反落。早朝に136.71円前後まで上昇して1998年10月以来の高値を付けたが、その後は利益確定売りに押されて失速した。NY市場序盤には米長期金利の低下につれて135.68円前後まで下落する場面もあった。
なお、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長はこの日の議会証言で「継続的な利上げが適切」としてインフレ抑制に全力で取り組む姿勢を強調。その上で、米経済のソフトランディング(軟着陸)については「非常に困難」だとの認識を示した。議長の発言で米国のリセッション(景気後退)に対する懸念が再燃しており、そうした中ではドルの上値は限られよう。ドル/円は136円台後半で上値が重くなりそうだ。
もっとも、金融引き締め志向を強めるFRBと、大規模緩和を維持する日銀のスタンスの違いは鮮明で、円が売られやすい地合いは続く公算が大きい。ドル/円の下値も限定的と見られ、135円台前半では底堅く推移するだろう。
注目の経済指標
注目のイベント
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