FX/為替「ドル/円 株価睨みで上値の重い展開」 外為トゥデイ 2022年5月19日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年5月19日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼18日(水)の為替相場
(1):日本1-3月期GDP 2四半期ぶりのマイナス成長
(2):豪1-3月期賃金指数 2018年終盤以来となる高い伸び
(3):英国 スタグフレーションへの懸念が強まる
(4):NYダウ 1200ドル超の大幅安
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:リスク回避のドル買いにより下値は限定的/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
18日(水)の為替相場
期間:18日(水)午前6時10分~19日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本1-3月期GDP 2四半期ぶりのマイナス成長
日本1-3月期国内総生産(GDP)・一次速報は前期比年率-1.0%と2四半期ぶりのマイナス成長となった。新型コロナウイルス感染拡大で行動が制限されたことなどから個人消費が減速した。ただ、GDPの落ち込みは予想(-1.8%)より小さかった。
(2):豪1-3月期賃金指数 2018年終盤以来となる高い伸び
豪1-3月期賃金指数は前年比+2.4%と2018年終盤以来となる高い伸びとなったものの予想(+2.5%)を下回った。利上げ加速観測が後退する中で、豪ドル相場は売りが強まった。
(3):英国 スタグフレーションへの懸念が強まる
英4月消費者物価指数(CPI)は前年比+9.0%と予想(9.1%)には届かなかったものの、約40年ぶりの高い伸びを記録。ポンドは英国のスタグフレーション(不況下の物価高)への懸念が強まり、CPIの発表後に下落した。
(4):NYダウ 1200ドル超の大幅安
米景気の先行きに対する不安からNYダウが一時1200ドル超の大幅安となった。為替市場ではリスク回避の円買いが加速し、クロス円に下落圧力がかかった。円とスイスフラン以外に対してはドルも買われたため、ドル/円は128.00円付近で下げ渋った。
18日(水)の株・債券・商品市場
外為注文情報
【情報提供:外為どっとコム】
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本日の見通し
ドル/円の見通し:リスク回避のドル買いにより下値は限定的
昨日のドル/円はNY市場で128円台前半へと急落。米株の下落と米債利回りの低下で128.01円前後まで下値を切り下げた。物価高と利上げによる景気悪化を巡る懸念からナスダック総合指数が約4.7%下落するなど米株が大幅安となる中、米10年債利回りは一時2.87%前後まで急低下した。
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で資源価格が高止まりする中、世界的にコロナ禍からの経済回復シナリオが揺らいでいる。本日も主要国株価の不安定な動きが見込まれる中、ドル/円は上値の重い展開となりそうだ。
一方、リスク回避局面ではドルにも買いが入りやすいことを踏まえると、ドル/円の下値余地は限られよう。 12日に付けた月初来安値の127.51円前後は下値支持になると見ている。
注目の経済指標
注目のイベント
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