FX/為替「ドル/円、米関税政策懸念やインフレ高止まりで大幅円安」 外為どっとコム トゥデイ 2025年2月13日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年2月13日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼12日(水)の為替相場
(1):米大統領 利下げを促す
(2):米インフレ加速
(3):MPC委員「概ね順調」
(4):FRB議長「急ぐ理由ない」
(5):ウクライナ停戦期待
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドル高が一段と進む可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
12日(水)の為替相場
期間:12日(水)午前7時10分~13日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米大統領 利下げを促す
トランプ米大統領は自身のソーシャルメディアに「金利は引き下げられるべきだ。それは今後の関税と歩調を合わせることになる」と投稿した。
(2):米インフレ加速
米1月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.0%と予想や前回(ともに+2.9%)以上に加速。前月比は+0.5%と2023年8月以来の高い伸びとなった。また、エネルギーや食品を除いたコアCPIも前年比+3.3%と予想に反して前回から加速(予想+3.1%、前回+3.2%)。米国のディスインフレ(物価鈍化)が進んでいないことが明らかとなった。ドルが広範に買われたが、クロス円はストレートドルの下落よりもドル/円の上昇に引っ張られた。
(3):MPC委員「概ね順調」
英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)メンバーであるグリーン委員は「ディスインフレのプロセスは概ね順調に進んでいる」としつつも、「金融引き締め策の解除には慎重かつ段階的なアプローチを維持するのが適切」との見解を示した。
(4):FRB議長「急ぐ理由ない」
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は下院での議会証言で、「基調的な経済は非常に力強い」として「これ以上の利下げを急ぐ理由は見当たらない」と延べた。また「関税を理由に政策金利を変更せざるを得なくなる可能性もある」とも述べ、トランプ政権の政策が経済に与える影響を見極めたい意向を示した。
(5):ウクライナ停戦期待
トランプ米大統領は、ロシアのプーチン大統領と電話会談を行ったことを明らかにした。直後には、ウクライナ停戦に向けてプーチン大統領と合意したとも伝わった。停戦は地政学リスクの低下につながるとしてユーロが上昇した。
12日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:ドル高が一段と進む可能性
昨日のドル/円は終値ベースで約1円90銭の大幅高。祝日明けの東京市場で前日からの円売りの流れを引き継ぐと、200日移動平均線(152.75円前後)を早々に突破。米1月消費者物価指数(CPI)が市場予想以上に前月から加速していたことによるドル買いも加わり、一時154.80円前後まで上値を伸ばした。 トランプ政権による関税政策が米国のインフレを押し上げるとの見方が強い中で、米1月CPIはディスインフレが進んでいない状況を示した。これにより米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げ期待が後退しており、ドルが買われやすい状況になっている。本日は米1月生産者物価指数(PPI)や新規失業保険申請件数が発表される。米国のインフレ高止まりや強い労働市場を示唆する結果となれば、ドル高が一段と進む可能性がある。ドル/円は昨日上値を抑えた日足一目均衡表の基準線(154.90円前後)や同雲上限(155.62円前後)が目先の上値目途として見られそうだ。
注目の経済指標:米PPI
注目のイベント:FRB高官発言
※時間は日本時間での表示になります。
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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