FX/為替「ドル/円、150円割れで12月安値(148.64円)を意識 1月CPIを警戒」 外為どっとコム トゥデイ 2025年2月21日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年2月21日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼20日(木)の為替相場
(1):FRB副議長 追加利下げを急がない姿勢示す
(2):強すぎる豪雇用統計
(3):日銀総裁「長期金利は話題になっていない」
(4):米失業保険申請件数は増加
(5):シカゴ連銀総裁「PCEはCPIほど厳しくならないだろう」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:昨年12月安値の148.64円前後を意識せざるを得ない/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
20日(木)の為替相場
期間:20日(木)午前7時10分~21日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):FRB副議長 追加利下げを急がない姿勢示す
米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長は「力強い経済と堅調な労働市場を背景に、さらなる政策金利調整に向け、今後入ってくるデータを評価する時間を十分に取れると考えている」と述べて、追加利下げを急がない姿勢を示した。
(2):強すぎる豪雇用統計
豪1月失業率は4.1%と予想通りに前月(4.0%)から上昇。労働参加率が67.3%(前月67.2%)に上昇しており、求職者の増加が失業率を押し上げた模様。1月新規雇用者数は4.40万人増と、前月(6.00万人増)ほどではなかったが市場予想(2.00万人増)を大幅に上回った。豪ドルは一時買いが強まったが、アジア株が軟調に推移する中で買いは続かなかった。なお、豪中銀(RBA)のハウザー副総裁は「今日のデータを見る限り、豪労働市場は非常に力強い」とコメントした上で追加利下げに慎重な姿勢を示した。
(3):日銀総裁「長期金利は話題になっていない」
日銀の植田総裁は石破首相と会談し、経済・金融の動向について意見交換したことを明らかにした。会談で長期金利の上昇が話題に上ったかを問われ「きょうはそういう話はしていない」と述べた。政府・日銀が金利上昇を容認したとの見方から、本邦長期金利が上昇に転じた。
(4):米失業保険申請件数は増加
米新規失業保険申請件数は21.9万件と市場予想(21.5万件)を上回り、前週(21.4万件)から増加した。より基調的な失業保険申請の動向を示す4週平均の件数は21.5万件と前週時点の21.6万件から小幅に減少した。
(5):シカゴ連銀総裁「PCEはCPIほど厳しくならないだろう」
シカゴ連銀のグールズビー総裁は、来週発表される1月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)について「消費者物価指数(CPI)ほど厳しいものにはならないだろう」との見方を示した。これを受けて米長期金利が低下幅を拡大する中、ドル/円は下値模索の展開が続いた。
20日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:昨年12月安値の148.64円前後を意識せざるを得ない
昨日のドル/円は150円台を割り込む大幅安の展開となった。日銀の利上げ観測を背景に円買いが活発化。日銀の植田総裁が石破首相との会談後に「長期金利上昇については話題に出なかった」と述べたことが、政府・日銀が金利上昇を容認したと受け止められた。150.00円付近ではいったん下げ渋るかに見えたが、NY市場に入ると米長期金利の低下を受けたドル売り主導で149.40円前後まで下値を拡大した。心理的節目の150.00円を下抜けたことで昨年12月安値の148.64円前後を意識せざるを得ない。そうした中で本日は日本1月消費者物価指数(CPI)に注目が集まるだろう。前年1月が低調だったことによるベース効果もあって前年比の伸び率は2年ぶりに+4.0%に達すると予想されている。日銀が重視する生鮮食品を除いたコアCPIも前年比+3.1%と1年5カ月ぶりの高い伸びが見込まれている。高めの市場予想を超える結果となれば、日銀の利上げ観測が一段と強まり円買いを誘う可能性があろう。なお、NY市場では米2月購買担当者景気指数(PMI)・速報値が注目されそうだ。
注目の経済指標:欧米PMI
注目のイベント:日銀総裁発言
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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