米国とウクライナ、鉱物取引取りまとめへ協議急ぐ
ウクライナと米国の交渉担当者は、両国間に生じた亀裂を乗り越え、主要な鉱物資源を巡る取引をまとめることを目指している。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。
ウクライナ当局者はキーウ訪問中のケロッグ米特使(ウクライナ・ロシア担当)と鉱物資源の取引について協議している。トランプ大統領は19日、ウクライナのゼレンスキー大統領を「選挙を実施しない独裁者」と非難、「ぐずぐずしていると、ウクライナはなくなってしまうぞ」と警告した。
ゼレンスキー大統領は、鉱物資源収入の約半分を求める米国の当初の提案を拒否していたが、20日のケロッグ氏との会談後に「希望を取り戻した」と述べていた。
関係者によると、米国は当初の提案で、ウクライナの鉱物資源関連の収入のうち半分の確保を求めていたが、これはウクライナの法律に違反する内容だった。またABCニュースは草案文書を基に、石油やガス、港湾からの収入も対象となっていたと報じた。
ウクライナ側が変更を提案したことを受けて、米国は将来の支援に関する文言を盛り込んだ改訂版を送付したと関係者は述べたという。
安全保障と引き替えに米国がウクライナの鉱物資源の権益を確保する取引を成立できるかどうかは、戦争終結を目指す米政権にとって重要な鍵を握る。
トランプ大統領は、ロシアのプーチン大統領と近く会談する可能性を示唆している。
ゼレンスキー大統領は20日遅くの定例演説で「われわれは米国と実際に機能する、強力な合意が必要だ」と語り、「経済と安全保障は常に密接に関連している」と続けた。
同関係者は米国、ウクライナ両国の大統領が立ち会う中で鉱物資源取引を締結するのが理想的だと語った。ゼレンスキー大統領は、米ロ首脳会談よりも先にトランプ氏に会うことを強く望んでいる。
ケロッグ氏は21日、ウクライナ高官らと「長く、激しい1日を過ごした」とXに投稿。ゼレンスキー大統領を「苦境に立たされた勇敢な指導者」と呼んだ。

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。