ユーロ安・ドル高・円高 欧州経済の弱さやウクライナ停戦や対米貿易交渉など不透明感で=ロンドン為替概況
ユーロ安・ドル高・円高 欧州経済の弱さやウクライナ停戦や対米貿易交渉など不透明感で=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ユーロ安・ドル高・円高の動き。欧州株は軟調に推移しており、リスク警戒感がみられる状況。パネッタ伊中銀総裁がユーロ圏の景気の弱さが予想以上に根強いとの認識を示した。また、米国とロシアがウクライナ停戦をめぐる協議を始めており、欧州側は警戒感を持って見守っている。さらに本日ワシントンではEUと米国との貿易協議が行われる。多くの課題をかかえて欧州には不透明感が広がっている。一方、シュナーベル理事は利下げ一時停止または停止する時期に近づいているとの認識を示した。また、この日発表された英消費者物価指数は前年比+3.0%と予想以上に伸びが加速したが、サービスCPIは前年比+5.0%をわずかに予想を下回っていた。ポンドは対ユーロで買われる場面があったが、対ドルや対円では売りに押されている。ドル円は151円台半ばへと一時軟化。ユーロ円は158円付近、ポンド円は191円台割れへと下押し。ユーロドルは1.04台前半、ポンドドルは1.25台後半へと軟化している。
ドル円は151円台後半での取引。東京午前に151.70台から一時152.31近辺まで買われたが、その後は売りに押される展開となっている。ロンドン序盤には一時151.55近辺まで安値を広げている。ただ、足元では米債利回りの上昇とともにドル買い圧力を受けてやや下げ一服となっている。
ユーロドルは1.04台前半での取引。東京午後からロンドン朝方にかけて買われ高値を1.0461近辺に伸ばした。その後はロンドン時間に入ると売りに押されており、安値を1.0419近辺に広げている。ユーロ円はドル円とともに振幅。東京午前に159.13近辺に高値を伸ばしたが、その後は売りに押されている。ロンドン時間には158円台半ばを割り込むと、安値を158.09近辺まで広げている。対ポンドでは東京市場で振幅したあと、ロンドン時間には改めてユーロ売りが押された。パネッタ伊中銀総裁がユーロ圏の景気の弱さが予想以上に根強いとの認識を示している。英インフレ指標の上昇とは対照的となっている。一方、シュナーベルECB理事は「利下げを一時停止または停止する時期に近づいている」としており、市場の利下げ観測がやや後退している。対ポンドではユーロが買い戻されているが、対円や対ドルでの動きは限定的。
ポンンドドルは1.25台後半での取引。1.26台前半から足元では1.2584近辺まで下押しされている。ポンド円は東京朝方の192.17近辺を高値に売られており、ロンドン序盤には安値を190.94近辺に広げている。ユーロポンドは0.8266から0.8289までのレンジで振幅。注目の1月英消費者物価指数は前年比+3.0%と市場予想を上回ったが、コア前年比は+3.7%と予想と一致、サービスCPIは前年比+5.0%と予想をわずかに下回った。ポンド買い反応は一時的にとどまっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
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執筆者 : MINKABU PRESS
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