弱い米雇用統計もドル円は105円台を堅持 ユーロドルは1.20ドル台回復=NY為替前半
きょうのNY為替市場でドル円は伸び悩む動きが見られているものの、105円台での推移となっている。きょうは一時105.75円付近まで上昇していたが、この日の米雇用統計が弱い内容となったことで伸び悩んでいる。
1月の米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が4.9万人増と予想を下回ったほか、12月分も22.7万人減に下方修正されている。小売業や輸送、レジャー、ホスピタリティといったセクターの雇用が減少しており、感染拡大による封鎖措置の影響が如実に表れた格好。失業率は6.3%に急低下したものの、労働参加率の低下もあり、さほどポジティブな驚きはないようだ。
ただ、米追加経済対策への期待は根強く、ドル円は下値をサポートされている。米上院はきょう、今会計年度予算の大枠となる予算決議案を可決した。ハリス副大統領の決定票で51対50の賛成多数となった。下院は既に可決しているが、上院を通過した決議案についてきょう、改めて採決することになる。下院で可決されれば、財政調整措置に基づき、共和党の賛成が一切なくとも同案の通過が可能になる。バイデン大統領が提案している1.9兆ドル規模の追加経済対策の実現に向けて一歩前進した格好。
この日の米雇用統計は弱い内容となったものの、市場の米インフレ期待は根強く、米国債のイールドカーブのスティープ化も変化がみられない中、ドル円は上値期待を堅持している。
ユーロドルは大きな心理的節目となっていた1.20ドルを回復。1.1970ドル付近に来ている100日線でサポートされた格好となっており、1.20ドル台をこのまま維持できるか目先の注目となる。
ただ、一部からは、ユーロドルが今後数カ月で1.15ドル以下に下落する可能性があるとの指摘も出ている。米経済の回復がユーロ圏を上回る可能性を背景として挙げている。米国ではバイデン大統領が提案している大規模な財政刺激策の見通しと伴にワクチン接種の展開が早まることが期待され、ユーロ圏よりも早期に制限措置を緩和できる可能性があるという。これにより、米国債のイールドカーブのスティープ化と伴にFRBによる早期利上げへの期待が高まると説明している。
ポンドドルは1.37ドル台を回復しており、上昇トレンドを継続している。前日の英中銀金融政策委員会(MPC)を受けて市場は利下げ期待を大きく後退させており、ポンドは買いが続いている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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