リスク回避のドル買い優勢でドル円は104円台に上昇=NY為替前半
きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となっており、ドル円は104円台に上昇。きょうの市場は米株式市場でダウ平均が一時584ドル安まで下落するなどリスク回避の雰囲気が見られている。そのような中で為替市場はリスク回避のドル買いが優勢となっているようだ。一方で円高の動きもあることから、104円台に入ってからのドル円の上げは鈍い。104円台に入ると上値抵抗が強まるとみられていたが、いまのところ、その通りの展開を見せている。
きょうはFOMCの結果が発表され、その内容を待ちといった雰囲気もあるようだ。今回は政策変更はなく、声明やパウエル議長の会見に注目が集まっている。FOMCメンバーの一部からは年内の資産購入ペース縮小開始への言及も出ていたが、現状からFRBがそれを強調してくる可能性は低く、むしろ慎重姿勢を強調してくるものと見られている。
一部からは今週のFOMCを経て、市場は資産購入ペース縮小開始は2022年以降との見方を強めるのではとの指摘も出ている。場合によってはドル売りが強まる可能性も留意されるという。しかし一方で、パウエル議長が会見で景気見通しに前向きな発言をするようであれば、ドルは米国債利回りの上昇と伴に買われるシナリオを見込んでみる向きもいるようだ。資産購入ペース縮小が予想よりも早くなるとの思惑が高まる可能性があるという。ただ、短期的には、FRBのレトリックに具体的な変化が見られない限り、米実質金利が上昇することはなく、ドル高は続かないという。レトリックに変化が見られる可能性は現状からは低いとしている。
ユーロドルは一時1.2060ドル付近まで下落するなど戻り売りが強まっている。今月の安値は1.2055ドル付近だが、その水準に顔合わせする動き。一部報道で、「市場が利下げの確率を過小評価している」とECB当局者が認識していると伝えていた。
ユーロも敏感に反応していたが、きのう辺りからのECB理事からの発言にユーロ高へのけん制が含まれて来ている。きょうもクノット・オランダ中銀総裁が「インフレを抑制する一段のユーロ高に対処する手段がECBにはある」と追加利下げも視野に入れた言及を行っていた。この動きに市場も神経質になっているようだが、マイナス金利深掘りのシナリオを描く市場関係者はまだ少数派だ。
ポンドはNY時間にかけて戻り売りが優勢となっているものの、対ドル、ユーロと数か月ぶりの高値に上昇。対ユーロでは8カ月ぶり、対ドルでは2018年4月以来の最高を一時更新した。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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