円買い継続、トランプ関税への警戒感や日米金融政策への思惑で＝ロンドン為替概況

円買い継続、トランプ関税への警戒感や日米金融政策への思惑で＝ロンドン為替概況　

　ロンドン市場では、円買いが継続している。ドル円は東京朝方の153円台前半から、ロンドン時間には151円台前半へと約２円幅で下落した。クロス円も同様に軟調に推移しており、円高の面が強い。ユーロ円は160円台後半から159円付近へ、ポンド円は192円台後半から190円台後半へと下落。加えて、ロンドン市場では米債利回りも低下しており、全般的にドル売りの動きもみられている。ユーロドルは1.04台後半から1.05台前半へ、ポンドドルは1.25台後半から1.26台前半へと上昇した。トランプ関税への警戒感がリスク回避的な円高圧力となっているほか、１２月の日米金融政策会合を視野に、双方の方向性の差異が意識される面も指摘される。市場では現時点で日銀については利上げが６割程度、一方で米ＦＯＭＣについては利下げが６割強の織り込みとなっている。ただ、このあとのＮＹ市場では米ＧＤＰ改定値など一連の米経済指標が発表される。そして、あすば米国市場が感謝祭のため休場となる。一方的な円買いが継続するのかを見極めたいところだ。

　ドル円は151円台半ばでの取引。東京朝方の153.23近辺を高値に、一方的に軟化している。ロンドン市場では151.23近辺まで安値を広げ、１０月２３日以来のドル安・円高水準となった。米１０年債利回りが４．３０％台から４．２５％台まで低下し、ドル円の上値を抑えた。また、１２月の日米金融政策の方向性の差が意識された面や、トランプ関税への警戒感なども指摘されている。

　ユーロドルは1.05台前半での取引。東京市場では1.0480-90レベルを中心とする揉み合いだったが、ロンドン時間に入ると米債利回りの低下とともに1.0540近辺まで買われた。ユーロ円はドル円とともに軟調に推移。東京朝方の160.71近辺を高値に、ロンドン序盤には159.10近辺まで下押しされた。対ポンドではややユーロ買いの動きがみられたが、足元では一服している。

　ポンドドルは1.26台前半での取引。東京市場で1.2570-80レベルで揉み合ったあと、ロンドン市場では一時1.2619近辺まで高値を伸ばしている。その後も高止まりとなっている。ポンド円は東京朝方の192.63近辺を高値に売られ続けており、ロンドン市場では安値を190.70近辺に広げている。ユーロポンドは0.8333近辺まで小安く推移したあと、0.8356近辺まで一時上昇。方向感に欠ける取引となっている。
　
minkabu PRESS編集部 松木秀明