ドル円、162円台半ば 中東情勢が再び緊迫化 議事録の反応は限定的=NY為替概況
ドル円、162円台半ば 中東情勢が再び緊迫化 議事録の反応は限定的=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は一旦162.70円付近まで上昇したものの、162円台半ばに伸び悩む展開。中東情勢が再び緊迫化し、米国がイランを攻撃。それに伴って原油が急騰し、米国債利回りも上昇。序盤はドル高を誘発していた。
トランプ大統領の発言が市場を動揺させた。大統領は、イランとの暫定的な停戦は終わったとの認識を示した。NATOの年次首脳会議が開かれているトルコのアンカラで「私としては、もう終わったと思っている。時間の無駄に過ぎない」と述べたほか、「恐らく今夜もイランを激しく攻撃するだろう」とも述べていた。これを受けてWTI先物は一時76ドル台に上昇。
和平合意が完全に崩れるとまでは見られていないものの、しっかりとした合意は形成されておらず、不安定な状況は続くとも見られている。
午後に6月分のFOMC議事録が公表され、全員が据え置きを支持していたことが明らかとなった。一方、数人が利上げの根拠を指摘していたほか、大半がAIの影響でインフレ高止まりの可能性を指摘していた。タカ派な内容になるのではとも見られていたが、特に明確なヒントも示されていないことから、為替市場の反応も限定的となった。
ユーロドルは比較的落ち着いた値動きをし、1.14ドル台での推移が続いた。一方、円安の流れは続いており、ユーロ円は185円台半ばに上昇。ただ、狭い範囲でのレンジ取引が続いている。
ユーロは比較的落ち着いているように見えるが、オプション市場ではより慎重なストーリーを示し始めている。トレーダーは再びユーロ安が進むリスクへのヘッジを積み増しており、リスクリバーサルは、ユーロに対するセンチメントが1週間超ぶりに最も弱気となっていることを示唆している。
ユーロドルにとって目先の問題は、まずは原油相場で、中東情勢の再緊迫化により原油価格が急上昇しているが、ユーロ圏にとっては交易条件悪化リスクが再び意識される。また、2つ目の試練としては米経済指標が挙げられる。先週、ウォーシュFRB議長がECBのフォーラムでより中立的なトーンを示したほか、弱めの米雇用統計もあり、FRBの利上げ期待が後退している。それを受けてユーロドルは一時1.1475ドルまで回復していたが、来週は米消費者物価指数(CPI)の発表があり、この議論を再び動かす可能性がある。
ポンドドルは買いが優勢となり、1.34ドル付近に上昇。200日線がその付近に来ており、突破できるか注目される。ただ、中東リスクが再び高まる中、上値抵抗も強そうだ。一方、ポンド円は217円台後半に上昇し、2008年以来の高値水準を更新。
底堅い動きを見せているポンドだが、アナリストは最近市場をアウトパフォームしているポンドは、今後下落に転じるリスクがあるとの見方を示している。「今月は市場心理が改善しているものの、ポンドが政治リスクから解放されたとは考えていない」と指摘。
バーナム氏が7月20日にスターマー英首相の後任に就任する運びとなっているが、英国の財政余力が限られていることから、バーナム新政権には必然的に圧力が強まると見ているようだ。また、市場が再び英中銀の据え置きを織り込み進める可能性もあり、それがポンドの重しになるとの見方を示した。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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