ドル円、再び162円台を試す展開 円は下げ止まらない状況=NY為替概況
ドル円、再び162円台を試す展開 円は下げ止まらない状況=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル高の動きは一服していたものの、ドル円は再び162円台を試す展開が見られた。FRBの利上げへの期待からのドル高がドル円の下値をサポートする一方、上値では162円付近での介入が警戒されている。
市場は、中東情勢の緊迫化を脱したのも束の間、FRBの政策に翻弄される「一難去ってまた一難」の様相を呈している。前日もドル円は162円に迫り、突破すれば1980年代以来の高値水準となる。日米財務相による協議報道も市場からは口先介入と見透かされ、円は下げ止まらない状況。
ここに来てFRBの年内利上げ期待が高まっており、一部からは3回の利上げの可能性も指摘されている。短期金融市場では、年内2回の利上げを完全に織り込む展開。
ただ、ストラテジストは米国の利上げ期待が過度に強まっているように見えることから、ドルは年後半にかけて弱含む可能性があるとの見方を示した。FRBは政策金利を景気を刺激も抑制もしない中立金利の範囲に置いているため、長期間に渡り金利を据え置く可能性が高いという。
仮にFRBが年末までに利上げを実施したとしても、ドルがさらに上昇するには、市場が現在織り込んでいる以上に積極的な利上げ経路が必要になるとしている。
NY時間に入って下げ渋ったものの、ユーロドルは下値模索が続き、1.13ドル台前半まで一時下落する場面が見られた。1.14ドルをブレイクし、下値メドが見えづらい状況になっているが、2025年2月の安値から2026年1月の高値までの上昇波のフィボナッチ38.2%戻しが1.13ドル台前半に来ている。その水準を完全にブレイクするようであれば、50%戻しの1.11ドル台前半までの下落の可能性も高まる状況。一方、ユーロ円は183円台前半まで一時下落したものの、NY時間に入って下げ渋る動きも見られている。
アナリストは、FRBとECBの金融政策に対する市場予想のかい離がユーロドルを1年ぶりの安値水準へ押し下げていると指摘。市場がFRBによる複数回の利上げを織り込む方向に動いている一方、ユーロ圏の金利市場ではECBの追加利上げの必要性に対する確信が弱まっているという。
ポンドドルも1.31ドル台後半まで買い戻されたものの、一時1.3140ドルまで下落するなど年初来安値を更新した。一方、ポンド円は212円台半ばに下落後、213円付近に買い戻されている。
イラン情勢への警戒感が後退し、原油相場も急落する中、英中銀の利上げ期待が後退。それに伴ってポンドドルは下値模索を強めている格好。足元の英経済指標が第2四半期の景気減速を示唆しており、英中銀の利上げ観測が遠のいている。
一方、英政治への不透明感も後退。スターマー英首相が月曜日に辞任を表明したが、政権移行が円滑に進むとの期待が出ている。アナリストは「次期首相の有力候補となっているバーナム氏が、次期首相に就任する可能性が非常に高く、市場に友好的なストリーティング氏が財務相に就任する可能性がある」と指摘。バーナム氏は財政規律の維持を公約しており、公的債務拡大が引き続き抑制されるとの安心感を投資家に与えていると指摘している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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