ドル円、156円台まで上昇 円キャリー取引が加速=NY為替序盤
きょうも為替市場は円キャリー取引が加速し、ドル円は156円台まで上昇している。財務省による介入への警戒感も高まっており、発言も出てきているが、現状では介入の可能性は低いとの見方も多い。
片山財務相、城内経財相、植田日銀総裁が夕方に3者会談を実施。片山財務相がその後の会見で、「為替について具体的な話は出ていない。市場動向は高い緊張感持って注視。丁寧に対話すること確認」などと述べたことで、円安の反応が加速していた。
過去の実績などから、介入水準を探る論評もエコノミストから出ているようだが、効果を出すにはタイミングも重要。以前はNY時間帯に米消費者物価指数(CPI)の発表後のドル安の流れの中で、介入を実施していたのは非常に印象的だった。
現在の市場の焦点はFRBが12月の利下げを行うかどうかだ。12月は利下げ見送りとの見方が市場では徐々に広まっているが、12月でなくても、米雇用統計やCPIを含めて、来年以降のFRBの利下げ期待を裏付ける米経済指標が出て、そのタイミングで実施すれば効果的なのかもしれない。
ただ残念ながら、米政府機関閉鎖の影響でデータを収集できていない部分があり、10月分の米CPIや米雇用統計に至っては、完全には出ない可能性もある。そのため、FRBのみならず市場も状況を把握しづらい状況。もっとも、G7で為替介入を実施しているのは日本だけだが。
本日のNY時間は日本時間20日午前4時にFOMC議事録、そして午前6時過ぎにエヌビディアの決算発表が予定されており注目となる。特にエヌビディアの決算を受けての株式市場の反応次第では、円相場も過敏に反応する可能性もありそうだ。
日本時間0時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。
19日(水)
現行付近にはなし
20日(木)
155.00(14.9億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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