貿易戦争で中国が欧州向け輸出を強化すれば、数十万件の雇用に影響する可能性=NY為替
きょうの為替市場はドル高が優勢となる中、ユーロドルは戻り売りに押されており、一時1.16ドル台前半まで下落する場面も見られた。ただ、本日1.1630ドル付近に来ている21日線の水準は維持している。前日に21日線を回復したが、上向きの流れは温存されている状況。
トランプ大統領による貿易戦争により、中国が欧州向け輸出を強化することになれば、欧州では数十万件の雇用が危機にさらされる可能性がある。ECBの調査でこのような見解が示されていた。調査によると、2015年から2022年の間に、ある産業分野における中国からの輸入額が労働者1人あたりの1000ユーロ増加すると、その業界の雇用率は同期間で0.1%ポイント低下するという。これはユーロ圏全体でおよそ24万件の雇用が失われるか、競争の少ない産業分野に再配置されることを意味する。
エコノミストは「米国の貿易転換と、中国の高付加価値産業における競争力向上を踏まえると、ユーロ圏の企業はますます厳しさを増す世界市場に適応する必要がある」と述べている。「現在は自動車や化学品といった業種に影響が集中しているが、さらに広がれば、ユーロ圏の雇用全体の約3分の1にまで影響が及ぶ可能性がある」とも付け加えた。
EUR/USD 1.1644 EUR/JPY 171.56 EUR/GBP 0.8670
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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