修正:ユーロの需要は横ばい、ドルに挑む難しさ浮き彫りに=NY為替
きょうの為替市場はこの日発表の米消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、FRBの利下げ期待も復活する中、ユーロドルは1.15ドルを試す展開となっている。1.15ドル台には売りオーダーも厚く観測されているようだが、突破できるようであれば、4月21日に付けた2021年11月以来の高値1.1575ドル付近を試す動きが期待される。
ドル離れが指摘されている中、ユーロはその代替として期待されているが、ユーロの国際的な利用は2024年も横ばいで推移し、世界におけるドルの支配的地位に挑む難しさが改めて浮き彫りとなった。
ECBが11日に発表したユーロの年次評価によると、全通貨に占めるユーロのシェアは19%で、前年とほぼ変わらず。外貨準備に占める比率も16%に留まっている。なお、金が外貨準備の20%を占め、ユーロを抜いた。ドルは46%で緩やかな減少傾向を継続している。(訂正)
トランプ大統領のホワイトハウス復帰後、不安定な政策運営を背景にドルへの信頼が低下しているとして、欧州当局者の間では、圧倒的なドルの地位を揺るがす好機との期待が高まっていた。今回のECBの報告はその期間は含んでいないものの、ドルとユーロの差が依然として大きいことを明示している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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