ドル円、一旦145円台に乗せたものの高値維持できず=NY為替序盤
きょうの為替市場、ドル円は144円台半ばで推移している。東京時間に一旦145円台に乗せたものの、海外時間にかけて、高値を維持できずに伸び悩む展開。145円台に入ると戻り待ちの売りオーダーも観測されているようだ。東京時間の145円台への上昇については、植田総裁が参院財政金融委員会での答弁で、「基調物価はまだ2%に少し距離がある」との認識を示したことに反応していた模様。
一方、下値では押し目買いも観測。先週金曜日の米雇用統計以降の動きを見た限りにおいては、ドル安に一服感が出ている。米財政問題もあり、長期的にはドル離れを指摘する向きは多いが、短期的には関税への懸念が後退し、市場も楽観的な雰囲気が広がる中、ドルが買い戻されるとの見方は少なくない。
そのような中、ドル円ももう一段の上値を試しそうな気配が出ているが、まずは145円台を完全に回復できるか注目される。
本日はロンドンで米中協議の2日目が再開されている。米国側は、中国からレアアース輸出規制緩和の確約が得られれば、対中輸出規制の解除に前向きな姿勢を示しているとも見られているようだ。関税に関しては市場も落ち着いて見つつあるが、波乱がないか注視している。両国の貿易摩擦で目立った進展がない中、投資家は慎重姿勢は維持している状況。
なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は144円に観測されている。
10日(火)
144.00(7.1億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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