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為替相場まとめ6月2日から6月6日の週

為替 

 2日からの週は、総じてドル安傾向が継続、円相場は円安の動きだった。ただ、米中関係や米関税問題、米経済指標、ECB理事会など多くの材料に振り回された。ドル円は米国が鉄鋼アルミ関税を25%から50%に引き上げとしたことや、米ADP雇用統計の予想外の弱い内容を受けて142円台まで下落する場面があった。しかし、米中首脳が電話会談を行ったと報じられ、貿易交渉進展への期待感から株高の動きが広がると144円台まで上昇した。ユーロドルは1.14ドル台を中心に底堅く推移した。ECB理事会では予想通り25bp利下げが発表された。ラガルドECB総裁会見で、利下げサイクルは完了に近いとの認識を示しており、ユーロ買い反応を誘った。ポンドドルも1.36台まで買われる場面があり、根強いドル売り圧力がみられた。そのなかでリスク動向は落ち着いており、欧州市場では独DAX指数が連日最高値を更新した。円相場は円安傾向を示し、ユーロ円は162円台から164円台へ、ポンド円は192円台から195円台へと買われた。週末には5月の米雇用統計が発表され、ドル高が強まった。ドル円も一時145円台回復。

(2日)
 東京市場は、ドル安が優勢。ドル円は、午前に米関税政策の不透明感などからドル安・円高方向に振れ、144円ちょうど付近から143.30台まで下落した。また、ウォラー米FRB理事が米関税のインフレに与える影響は限定的と発言し、年内利下げの可能性を指摘したこともドル売りにつながった。昼過ぎには143円半ばまで戻す場面があったものの、戻りは続かず、午後はこの日の安値となる143.14付近まで下値を広げた。ユーロドルは午後に一段高となり、一時1.1399付近まで上昇。5月27日以来およそ1週間ぶりの高値を更新した。ユーロ円は下げ一服。午後に一時163.06付近まで下落したあと、この日の安値圏で小動きとなった。

 ロンドン市場では、ドル売りが優勢。トランプ大統領が鉄鋼アルミ関税を25%から50%に引き上げると報じられたことや、台湾をめぐる米中対立が再燃していることなどが、いわゆる米国売りの動きにつながっている。米株先物・時間外取引が下落、米債利回りは売られて利回りが上昇、為替市場ではドル売りとトリプル安になっている。欧州株も軟調に週明けの取引を開始している。さらに、ウォラーFRB理事がトランプ関税のインフレを一時的とする見方を示したことが、米追加利下げ観測につながった面もあったようだ。ドル円は東京市場で144円台から143円台前半へと下げたあと、ロンドン時間にはさらに142円台後半へと下落。ユーロドルは1.13台後半からロンドン時間に入ると騰勢を強めて1.14台前半へと上昇している。ポンドドルも1.35台乗せから1.35台半ばへと買われている。独仏製造業PMI確報値は強弱まちまち。ユーロ圏としては速報値から変わらず。英製造業PMI確報値は速報値から改善も水準的にはまだ景気縮小圏にとどまった。英住宅価格指数は前月比上昇に転じている。ただ、足元では対ユーロでポンドが軟調に推移するなどポンド自体の買いは強まらず。

 NY市場では、ドル円が142円台に下落。6月相場入りとなる中、貿易問題への懸念が再び広がり、ドル安・円高が優勢となった。この日発表になったISM製造業景気指数が予想を下回ったことをきっかけに、ドル安が強まり、ドル円も142円台半ばまで一時下落。米中貿易協議に悪化の兆候が見えていることや、トランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムの関税引き上げを発表したことが不透明感を広げている。同大統領は中国が米国との暫定貿易協定に違反していると非難。それに対して中国はその非難に反発している。ユーロドルは一時1.14台半ばまで上昇。ユーロの重要イベントとしては何と言っても5日木曜日のECB理事会であろう。昨年からの利下げサイクルで8回目となる利下げに踏み切る見込み。市場はそれ以降の利下げの有無に注目している。ポンドドルは1.35台半ばまで一時上昇し、1週間ぶりの高値水準となった。ネーションワイドのデータによると、5月の英住宅価格は前年比3.5%上昇していた。

(3日)
 東京市場では、ドル円が振幅した。朝方に142.38近辺まで下落。前日海外市場の流れを受けた動き。しかし、植田日銀総裁が、将来の利下げ余地を確保するためだけに利上げを急ぐことはないと発言したことを受けて円売りが強まり、143円台を回復。。日本10年物国債の入札が好調。応札倍率はここ1年の平均を上回ったことで安心感につながって円債利回りが低下、円売りを誘った面も。昼過ぎには143.27付近まで買われた。ユーロ円は朝方に163.08近辺まで軟化も、その後は買いが優勢となり163.70台まで上昇。午後には163.10台まで反落。ユーロドルは1.1412-1.1455で神経質に振幅した。

 ロンドン市場では、リスク警戒の動きが先行。OECD世界経済成長見通しが発表され、25-26年の数字がいずれも引き下げられた。米関税が米国経済の成長を鈍化させることが、世界経済に波及するとの見方だった。これを受けて寄り付き時には買いが先行していた欧州株が下げに転じ、米株先物・時間外取引も下げ幅を拡大。為替市場では円高やドル高の反応が広がった。ドル円は143円付近から142円台後半へ、ユーロ円は163円台前半から一時162円台後半へ、ポンド円は193円台半ばから一時192円台後半まで下落する場面があった。その後発表された5月ユーロ圏消費者物価速報が前年比+1.9%とECB物価目標を下回る水準となり、ユーロ売り反応がみられる動きも加わった。一方で欧州株の下げ渋りとともに、リスク警戒の動きは一服している。ドル円は143円付近に下げ渋っている。ポンド円は193円台を回復、ユーロ円も163円台をかろうじて回復。

 NY市場では、ドルが買い戻された。ドル円は144円台に上昇している。依然として貿易問題への不透明感が広がっている中、前日の弱い米経済指標の発表もあり、ドル円は東京時間に142.40近辺まで下落していた。ただ、下値では押し目買いのオーダーも観測される中、NY時間にかけて下げ渋っている。植田日銀総裁が貿易問題を中心に先行き不透明感が高く利上げに慎重とみられたことや、OECD世界経済見通しで日本についてもGDP予測が1.1%から0.7%に引き下げられた。ユーロドルは1.13台に再び下落。ECBは木曜日の理事会で経済見通しも公表するが、インフレと成長見通しは下方修正されると見込まれている。そのような中、市場は今回の利下げ以降のヒントを欲しがっている。ポンドドルは1.35台前半に下落。瞬間的に大台割れの場面が見られたものの、1.35ドル台はしっかりと維持している。本日も英利回りは低下していた。英中銀のマン委員が量的引き締め(QT)が金融政策に及ぼす影響を認めたことも材料視されているようだ。

(4日)
 東京市場は、揉み合いが続いた。日本時間午後1時にトランプ米政権の鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税の25%から50%への引き上げが発動したが、為替市場への影響は限定的となっている。ドル円は144.38近辺まで買われるも、その後143.90台に押し戻された。方向感に欠ける動きだった。クロス円も方向性に乏しい。ユーロ円は163円台後半から164円台前半でもみ合い、ポンド円は194円台半ばから195円付近での振幅。ドル円以外のドルストレートも、東京の終盤にややドル高の方向に振れる場面があったが、ドル高の動きは持続しなかった。ユーロドルは一時1.1357付近まで弱含み、ポンドドルは一時1.3501付近まで弱含んが、その後、ユーロドル、ポンドドルとも、下げを帳消しにしている。

 ロンドン市場では、やや円安の動き。ロンドン時間に入ると欧州株や米株先物・時間外取引が堅調に推移しており、全般にリスク動向は落ち着きを示している。明日のECB理事会での25bp利下げが市場コンセンサスとなるなかで、独DAX指数は取引時間中の最高値を更新する場面もあった。また、一連のユーロ圏や英国の非製造業PMI確報値がおおむね上方改定されたことも好材料だったようだ。円相場にとっては通信社が「日銀、来年度の債券購入テーパリングのペース鈍化を検討」と報じたことで円売り反応がみられる場面もあった。ドル円は144円を挟んで上下動も足元では144円台前半と底堅く推移。ユーロ円は163円台後半から164円台へ、ポンド円は194円台半ばから195円台に乗せる場面があった。一方、ドル相場は方向感無く振幅している。ユーロドルは1.13台後半から1.14付近、ポンドドルは1.35付近から1.35台半ばで売買が交錯している。

 NY市場では、ドル売りが強まった。ドル円は142円台に再び下落した。この日発表のADP雇用統計とISM非製造業景気指数が弱い内容となったことで、ドル安が加速している。ADP雇用統計は3.7万増と2年ぶりの低い水準となった。5月のISM指数が49.9と基準の50を下回り、縮小圏に入った。50割れは昨年6月以来で、景気の先行き不透明感を強める内容。製造業はこれまでも弱さが示されていたものの、サービス業は底堅く推移していただけにネガティブ・サプライズではあった。ユーロドルは1.14台を回復。1.1450ドルにかけては上値抵抗もあるようだが、ドル安期待が根強い中でユーロドルは堅調な流れを継続している。ポンドドルも一時1.35台後半まで上昇。

(5日)
 東京市場では、円売りが優勢。ドル円は午前に142円台後半で推移したあと、午後に入って日本長期債利回りの低下などから円安となり、一時143.18付近まで上昇した。財務省が実施した30年利付国債入札の応札倍率は2023年以来の低水準となったが、事前の警戒感が強かったことから、市場では想定内と受け止められた。ユーロ円は一時163.39付近まで上昇し、ポンド円は194円台に乗せた。ユーロドルはもみ合い。午前に一時1.1435付近まで上昇した後、午後は一転して1.1405付近まで弱含む場面があった。日本時間午後9時15分には欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表予定で、0.25%の利下げが見込まれている。また、午後9時45分からのラガルドECB総裁の会見にも注目が集まっている。

  ロンドン市場では、円売りが先行したが次第に値動きは落ち着いた。欧州株や米株先物・時間外取引が堅調に推移しており、独DAX指数は連日の取引時間中の最高値を更新した。円相場は東京時間に超長期債の発行が減額されるとの思惑などで円安に動いたが、ロンドン序盤もその流れが続いた。ドル円は143.40付近まで高値を伸ばした。ユーロ円は163円台後半、ポンド円は194円台半ば、豪ドル円は93円台前半へと高値を更新。ドル相場は前日の下落に対する調整もあってややドル高の動きをみせたが、足元ではその動きも一服。ユーロドルは1.14台前半、ポンドドルは1.35台半ばから後半での取引が続いている。そのなかでは豪ドル/ドルは0.93台後半へと底堅く推移しており、豪ドル円とともに堅調に推移している。ユーロ対ポンドではユーロ売りが優勢。

 NY市場では、ドル円が一時144円付近まで上昇。本日は米中首脳が電話会談を行ったが、それについてのトランプ大統領の発言に反応していたようだ。トランプ大統領は、両国の代表団がまもなく協議開始で合意したことを明らかにした上で、問題となっていたレアアースの製品を巡って「中国との間でもう疑問ない」と述べたことに市場は反応していた。米中協議の進展を期待させる発言。本日はECB理事会が開催され、大方の予想通りに25bpの利下げを決定した。ラガルド総裁はその後の会見で、今回の利下げサイクルは完了に近いとの認識を示していた。その発言を受けてユーロドルは1.15付近まで上昇したが、1.15台を回復することなく1.14台前半に伸び悩んだ。ECBはインフレや成長の見通しを下方修正しており、関税の影響も不確実なことから、追加利下げの選択肢も残している。ポンドドルは買いが強まり、一時1.36台に上昇。2022年2月以来の高値水準を更新した。英統計局(ONS)が4月の英消費者物価指数(CPI)を0.1%ポイント過大に算出していたことを明らかにしたが、市場の期待にほとんど変化は見られず、年内1回の利下げを織り込んでいる状況。

(6日)
 東京市場は、ややドル買い・円売りの動き。ドル円は前日の上昇の流れを受けて午前には143円台後半で底堅く推移。午後に入ると144円台に乗せてきている。米雇用統計の発表を日本時間午後9時30分に控えており、大台を付けた後も動き自体は落ち着いたものとなっている。ユーロドルは1.1450前後で取引を開始、午前中は1.1457近辺まで小高く推移。しかし、高値を追う動きはみられず、ドル全般の買いに押されて午後には1.1425近辺まで反落した。ユーロ円は午前中に164円台前半から半ばへと小高く推移したあと、ロンドン早朝にかけて164.74近辺に高値を伸ばしてきている。

 ロンドン市場では、ドル買いが優勢になっている。米雇用統計発表を控えて、昨日までのドル安の動きに調整が入っている。ドル円は144円台乗せへと買われている。ロンドン朝方までは円安の面が強く、ユーロ円が164円台後半、ポンド円が195円台前半へと高値を伸ばす場面があった。その後はドル買い主導の展開となり、ユーロドルは1.14台前半、ポンドドルは1.35台前半と上値重く推移している。円関連では「日銀が国債買い入れ減額幅の圧縮を検討へ、来年4月以降」との関係者発言が報じられたことがやや円安反応につながる場面もあった。また、昨日のECB理事会を終えて、多くのECB当局者らがインフレを克服したことを自賛した。ただ、ホルツマン・オーストリア中銀総裁は唯一利下げに反対票を投じたことを表明、利下げ決定に異論を述べた。独連銀は「ドイツの景気回復はさらに遅延、2025年は停滞状態に」と経済の先行きに不透明感を示した。足元では値動きが一服し、米雇用統計待ちのムードが広がっている。

 NY市場はドル高が強まり、ドル円は一時145円台を付ける場面も見られた。この日発表の5月の米雇用統計を受けて安心感が広がっている。米労働市場の鈍化を示す内容ではあったものの、今週発表のADP雇用統計が予想外の弱さを示していたことから、米雇用統計にも警戒感が高まっていた。ただ、非農業部門雇用者数(NFP)は13.9万人増と予想を上回り、前回の下方修正分と併せると、雇用情勢の軟化を示す内容ではあるが、失業率は4.2%と前回水準を維持し、平均時給が予想を上回る伸びを示すなど、底堅さは堅持している印象。市場ではFRBの年内利下げ期待を後退させており、年内2回の利下げ期待は後退している。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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