FX/為替「ドル/円今日の予想」 外為どっとコム トゥデイ 2025年10月20日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年10月20日8時15分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼17日(金)の為替相場
(1):日銀副総裁講演
(2):維新「連立協議は大きく前進」
(3):ユーロ圏コアHICPが上方修正
(4):過度の米中貿易摩擦懸念和らぐ
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:円売りが加速する可能性も/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
17日(金)の為替相場
期間:17日(金)午前6時10分~18日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀副総裁講演
日銀の内田副総裁は、経済・物価を巡るリスク要因として「各国の通商政策等の影響を受けた海外の経済・物価動向を巡る不確実性は高い状況が続いている」と指摘。「不確実性が金融・為替市場や日本の経済・物価に及ぼす影響を十分注視する必要がある」と述べた。その上で、経済・物価見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していく方針をあらためて示した。
(2):維新「連立協議は大きく前進」
日本維新の会の藤田共同代表は「自民党と維新の連立協議は大きく前進した。最終の詰めを行っていく」と発言。翌週21日の首班指名選挙で第104代首相に自民党の高市総裁が選ばれる可能性が高まった。
(3):ユーロ圏コアHICPが上方修正
ユーロ圏9月消費者物価指数(HICP)・改定値は前年比+2.2%で速報値と同率の伸びだった。同コアHICPは前年比+2.4%と速報値の+2.3%から上方修正された。
(4):過度の米中貿易摩擦懸念和らぐ
米国のトランプ大統領は、中国からの輸入品に100%の追加関税を課すという自身の提案について「数字の上ではそうなっているが、持続可能ではない」との認識を示した。また、中国の習近平国家主席と月内に韓国で会談すると明言。「中国とうまくやっていけると思うが、公平なディールが必要だ。公正であることが不可欠だ」と語った。ベッセント財務長官がこの日のうちに中国の何立峰副首相と電話会談を行い、通商協議を行うと報じられたことも相まって米中貿易摩擦を巡る過度な懸念が和らいだ。
17日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:円売りが加速する可能性も
17日のドル/円は約0.1%上昇。日経平均株価の大幅な下落などの影響から6日以来となる149.38円前後まで下落する場面も見られたが、自民党と日本維新の会の連立協議に進展が見られ、21日の臨時国会で行われる首班指名選挙において自民党の高市総裁が選出される可能性が高まったことから、円が売られた。また、複数の米金融機関の良好な決算を受け、米地銀の信用不安がひとまず後退したことがドルを買い戻す要因となり、ドル/円は終値ベースでは4営業日ぶりに上昇した。 自民・維新は今日にも連立政権の合意書に署名する見通しとなっている。合意への期待がドル/円を下支えするほか、仮に正式に連立合意となれば「高市トレード」の再燃によって円売りが加速する可能性も考えられる。また、米地銀の信用リスクが後退していることで、市場が再びリスク志向に傾いていることも円売り・ドル買い要因となろう。ドル/円は日足一目均衡表・転換線の通る151.33円前後が目先の上値目途として意識されそうだが、この水準を上抜けることが出来れば、152円前後まで上げ幅を拡大することになりそうだ。
注目の経済指標:中国GDP
注目のイベント:日銀審議委員発言
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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