ドル円、152円台で上下動 米CPIは追加利下げを正当化=NY為替概況
ドル円、152円台で上下動 米CPIは追加利下げを正当化=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は152円台で激しい上下動を見せた。この日発表の9月の米消費者物価指数(CPI)が予想を下回りFRBの追加利下げを正当化する内容だったことで、ドル売りの反応を見せた。ドル円も一気に152円台前半に急低下していたものの、すぐに買い戻されている。その後発表の10月の米PMIが予想を上回ったことでドル高の反応が強まった。
ドル円も下げをほぼ取り戻し、153円台に瞬間上昇する場面も見られたが、153円台の上値抵抗も強く、152円台後半で推移している。
ドル円は上昇の流れを復活させているが、来週の重要イベント目白押しの週を控えていることもあり、153円台に入ると戻り売り圧力も強まるようだ。
ユーロドルは米CPIを受けて1.16ドル台半ばまで一時上昇。ただ、買戻しを強める動きまでは見られず、1.16ドル台での上下動に終始した。一方、ユーロ円は買い戻しが続いており、10月9日に付けたユーロ発足以来の高値を再び試す動きが出ている。
最近のユーロドルは1.16ドル台で動きが止まっているが、この落ち着きは長く続かない可能性が高いと指摘がアナリストから出ている。落ち着きを反映して、オプション市場では3カ月物の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)が過去3週間で最も低い水準に低下している。10月3日には1年ぶりの低水準であるを記録していた。
一般的にボラティリティの低下は次の変動の前触れとも認識されているが、現在の地政学的環境を踏まえると、ボラティリティは再び上昇する可能性があるという。特に、来週予定されているトランプ大統領と習近平国家主席の米中首脳会談を前に相場が動意づく可能性があるという。
ポンドドルは、米CPIを受けて1.3360ドル近辺まで買い戻される場面があったものの、勢いを維持できずに一時1.32ドル台まで値を落とす展開。依然として上値は重い印象。一方、ポンド円は米CPI後に204円付近まで上昇したものの、203円台半ばに伸び悩む荒い値動きをしている。
英中銀は11月に利下げを実施する可能性があるとの指摘がアナリストから出ている。この日発表の英小売売上高や消費者信頼感、英PMIのいずれも改善を示す内容だった点は、見通しをやや複雑にしているものの、英中銀は直近発表の英雇用統計とインフレ指標が予想を下回った点をより重視して政策判断を行う可能性が高いと指摘している。
いずれにしろ、11月の英金融政策委員会(MPC)の判断は非常にきわどい決定になると見ているという。なお、短期金融市場では、11月の英中銀利下げ確率を28%程度しか織り込んでいない。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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