FX/為替「ドル/円 米相互関税発表を控え方向感がつかみづらい」 外為どっとコム トゥデイ 2025年4月1日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年4月1日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼31日(月)の為替相場
(1):日経平均株価 大幅下落
(2):中国PMIは予想を上回る
(3):ECB総裁「インフレ目標にほぼ達している」
(4):独CPIは伸びが鈍化
(5):リッチモンド連銀総裁「インフレ鈍化の確信を得る必要」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:方向感がつかみづらい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
31日(月)の為替相場
期間:31日(月)午前7時00分~1日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日経平均株価 大幅下落
トランプ米政権の相互関税への警戒感が高まる中、安く始まった日経平均株価が1500円超安まで下げ幅を拡大。リスク回避の円買いが強まった。
(2):中国PMIは予想を上回る
中国3月製造業PMIは50.5と市場予想や前月(50.4、50.2)を上回った。また中国3月非製造業PMIも同様に50.8と予想や前月(50.6、50.4)を上回った。
(3):ECB総裁「インフレ目標にほぼ達している」
ラガルド欧州中銀(ECB)総裁は、「われわれはインフレ目標にほぼ達している」と発言。ただし、「不確実性のためインフレが終わったと言えない」と付け加えた。また「トランプ米政権の貿易措置が世界経済成長を損なうだろう」との認識を示した。
(4):独CPIは伸びが鈍化
ドイツ3月消費者物価指数(CPI)・速報値は前月比+0.3%、前年比+2.2%となり、市場予想通り前月(+0.4%、+2.3%)から伸びが鈍化した。またEU基準のCPIは前年比+2.3%と予想以上に前月から伸びが鈍化した(予想+2.4%、前月+2.6%)。
(5):リッチモンド連銀総裁「インフレ鈍化の確信を得る必要」
米リッチモンド連銀のバーキン総裁は「連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを再開する前に、インフレが鈍化する確信を得る必要がある」との認識を示した。また、NY連銀のウィリアムズ総裁はインフレ見通しについて「今後実施される可能性がある関税などの政策に大きく左右され得る上振れリスクがあることは確かだ」と述べた。
31日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:方向感がつかみづらい
昨日のドル/円は終値ベースではほぼ横ばい。東京時間にはトランプ関税への懸念から日経平均株価が1500円超安と今年最大の下げを記録したことを背景に、一時148.70円前後まで下落した。欧州時間以降は米長期金利やダウ平均株価が下げ幅を縮小し上昇に転じたことで、徐々に円売り圧力が強まると150.27円前後まで上値を拡大する場面も見られた。
本日は米3月ISM製造業景況指数や米2月JOLTS求人件数が発表される。米経済にスタグフレーション懸念が台頭しており、市場の心理が弱気に傾きがちのため、弱い結果には反応しやすいと考えられる。ただ、明日2日には米国の相互関税発表が控えている。関税の範囲や内容が依然として不透明なことから、ドル/円は方向感がつかみづらい。本日も関税に関するトランプ米大統領の発言には注意が必要だろう。
注目の経済指標:ISM製造業景況指数
注目のイベント:RBA総裁発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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