ウォーシュ発言にドル安の反応 ドル円は162円台前半に下落=NY為替概況
ウォーシュ発言にドル安の反応 ドル円は162円台前半に下落=NY為替概況
きょうのNY為替市場、途中からドル売りの動きも見られ、ドル円は一時162.30円付近まで値を落とす場面が見られた。ウォーシュ議長の発言に反応したようで、議長は金利の先行きに関しては発言を控えているものの「過去4週間でインフレリスクは低下している」との認識を示したことに、市場は敏感に反応していた模様。米国債利回りも下げに転じていたほか、短期金融市場でも年内利上げ期待が後退していた。
ただ、本日のドル円は、堅調な米経済指標や日米金利差を背景に上値追いが続き、一時162.80円近辺まで上昇していた。米経済指標が底堅さを示し、FRBの利上げ期待も根強い一方、日銀の利上げは慎重なアプローチが意識される中、ドル円は上値追いが続いている。
一部からは、介入がなければ165円程度までの上値余地はあるとの見方も広がり、場合によっては170円を視野に入る可能性も指摘されている状況。
大規模な為替介入を実施しても、FRBの利下げモードが復活するなど、ファンダメンタルズに大きな変化がない限りにおいては、効果は一時的に留まる可能性は高いと見られている。ここに来てFRBは以前よりもタカ派姿勢に転換し、日本政府の骨太方針も日銀の利上げをけん制する内容との受け止めも加わる中、ドル高・円安は進みやすいと見られている。
ただ、財務省の介入警戒が円安のスピードを減速させ、過度な動きを抑え込んでいる点は間違いなく、その点は評価できそうだ。
明日は米雇用統計が発表される。堅調な内容になるとの見方も出ているが、果たして市場の利上げ期待に変化が出るか注目される。なお、今回は3日金曜日が独立記念日の祝日で休場となることから、明日木曜日の発表になる。
ユーロドルは、ウォーシュ議長の発言でドル安の反応が見られ、一旦1.14ドル台に戻していたものの、再び1.13ドル台に下落する展開。やや下げ過ぎ感も出て来てはいるものの、依然としてリバウンド相場を強める気配はない。一方、ユーロ円は戻り売りに押され、184円台に一時下落。21日線付近での推移となっていた。
ユーロ圏の成長見通しが改善しない限り、ユーロの回復は難しいとの指摘がアナリストから出ている。「昨年来、ユーロに対する市場の期待感の変化が、ユーロドルの動きに果たしてきた役割を市場は過小評価している」と指摘。市場はこれまでユーロ高を見込んでいたが、イラン紛争によってユーロ圏の成長見通しが悪化したことから、その期待は後退。ユーロ圏の経済指標が大きく改善しなければ、投資家が再びユーロへの強気姿勢を取り戻すことは難しいという。
一方、ドルについては、予想以上に堅調な米労働市場、底堅い個人消費、米国株への力強い資金流入が支援材料となり、引き続き底堅く推移するとの見方を示した。
ポンドドルは、ベイリー英中銀総裁の発言で一旦1.32ドル台前半まで下落したものの、ウォーシュ議長の発言で次第ドル売りが優勢となったことから、1.32ドル台後半に買い戻される展開。一方、ポンド円は円安の動きから215円台後半に上昇。ベイリー総裁は「英経済は減速傾向。経済活動と労働市場が減速」などと述べていた。
今後のポンドの見通しは次期財務相人事に左右されるとの見方が一部から出ている。バーナム氏が次期英首相に就任した場合、誰が財務相に就任するかによって、今後数カ月のポンド相場は二極化が一段と鮮明になる可能性があるという。
2つのシナリオを想定しており、左派的な財政政策ショックとなる場合、ポンドドルは1.25ドルまで下落。市場に好意的と受け止められる財務相が就任した場合は1.3750ドルまで上昇する可能性があるという。また、ミリバンド氏が財務相に就任した場合は、ポンドに弱気材料。一方、マクファデン氏なら、より正統派でブレア政権時代の「ニュー・レーバー」路線に沿った人事とみなされ、財政運営への信認を支えることから、ポンドにとって前向きな材料になるとの見方も示した。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。