欧州株大幅安、リスク警戒の動き継続も、ドル円は149円台に下げ渋り=ロンドン為替概況
欧州株大幅安、リスク警戒の動き継続も、ドル円は149円台に下げ渋り=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ドル円が149円台に下げ渋っている。一方、欧州株が大幅安となり、米株先物もナスダック主導で下落している。リスク警戒の動きは続いており、クロス円は引き続き円高圧力を受けている。ユーロ円は161円台前半から半ば、ポンド円は193円を挟んで売買が交錯。いずれも東京市場からの円高水準で推移している。豪ドル円は93円台前半、カナダ円は104円台割れへと安値を広げている。ユーロドルは1.08台前半、ポンドドルは1.29台で売買が交錯しており、ドル相場自体は方向性に欠けている。トランプ関税に対する警戒感は強く、ラガルドECB総裁は「トランプの貿易政策は世界経済成長を阻害する」と批判。パネッタ・イタリア中銀総裁は「不透明感が増す中、利下げには慎重さが必要」と述べた。また、フランス極右政党のルペン氏にEU補助金の流用で有罪判決が下されており、27年の大統領選出馬が禁止された。米国とロシアとの協議予定についても今週は報じられておらず、さまざまな政治的不透明感が広がっている。
ドル円は149円台前半での取引。東京朝方の149.84近辺を高値に東京市場では148.70台まで下落した。米景気動向への不透明感に加えて、トランプ氏が相互関税について強硬姿勢に変化したことがリスク警戒の動きを広げた。日経平均は1500円超安で引けた。欧州株や米株先物にも売り圧力が強まっているが、ロンドン時間に入ると149.70近辺に安値を広げたあとは149.40付近まで買い戻されている。
ユーロドルは1.08台前半での取引。円相場が主導するなかで、東京市場から1.0805-1.0849までのレンジで売買が交錯している。ユーロ円は円買い圧力に押されている。東京朝方の162.28近辺を高値に、ロンドン序盤には161.05近辺まで安値を広げた。その後は161円台半ばへと下げ一服となっている。対ポンドではややユーロ売りが先行も、足元では値を戻している。
ポンドドルは1.29台半ばでの取引。ユーロドルと同様に方向性に欠ける振幅。東京市場からのレンジは1.2918-1.2973となっている。ポンド円は上値重く推移。東京朝方の193.92近辺を高値に、東京昼過ぎには192.74近辺まで下落。その後は下げ一服も193.50までは届かず売買が交錯している。ユーロポンドは0.8350-0.8378レンジでの推移。ややポンド買いが先行したが、足元では一服している。2月消費者信用残高は前回から減少も市場予想は上回っていた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。