円買い強まる、ロシアとウクライナめぐる緊張高まり ドル円一時153円台前半=ロンドン為替概況
円買い強まる、ロシアとウクライナめぐる緊張高まり ドル円一時153円台前半=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、円買いが強まっている。ロシアとウクライナをめぐる緊張が高まったことに反応。まず、ロシア側から「プーチン氏、核兵器使用の拡大を承認 最新の核ドクトリンで」との一報が流れた。ドル円は154円台後半から一気に153円台前半まで下落した。その後、154円を回復したところにウクライナ側から「ロシア領内に向けた初のATACMSミサイル攻撃実施」と報じられ、ドル円は再び153.50割れへと下落した。その後は売買交錯も153円台後半で推移している。報道前からは引き続き1円近い円高水準となっている。市場全体にリスク回避の動きが広がっており、米債利回りや独債利回りが低下、欧州株や米株先物が下落。為替市場では円のほかにはスイスフランも買われている。ユーロやポンドは軟調。ユーロドルは1.05台後半から前半へ、ポンドドルは1.26台後半から前半へと下押しされている。ユーロ円は163円台後半から161円台半ばまで、ポンド円は195円台後半から193円台半ばまで一時急落した。その後は、ドル円とともにやや下げ渋りとなっている。この日はECBや英中銀当局者らの発言も多かったが、地政学リスク主導の展開になっている。
ドル円は154円台前半での取引。東京市場で154.60付近から153.90台で下に往って来いとなり、ロンドン朝方となった。ロシアとウクライナをめぐる地政学リスク報道で一気にリスク回避の円買いが強まった。ドル円は一時153.29近辺まで急落。その後、売買が交錯も次第に買われて154円台を回復している。「プーチン氏、核兵器使用の拡大を承認 最新の核ドクトリンで」との一報に続いて、「ウクライナ、ロシア領内に向けた初のATACMSミサイル攻撃実施」と報じられた。米債利回りは低下、欧州株などが下落している。円のほかにはスイスフランもリスク回避通貨として堅調。
ユーロドルは1.05台半ばでの取引。東京朝方の1.0601近辺を高値に上値重く推移している。ロシアなどの地政学リスク報道を受けて売りが強まると安値を1.0524近辺まで広げた。その後は下げ一服も東京時間の高値圏には戻し切れず、上値重く推移。ユーロ円はドル円と同様に円買いが強まった。東京朝方の163.96近辺を高値に、ロンドン序盤には161.50近辺まで急落した。対ポンドではユーロ売りが先行も、その後は買い戻されている。ECB当局者からの発言も多かったが、概ね12月の25bp利下げの見方が多いようだ。
ポンドドルは1.26台前半での取引。東京昼過ぎの1.2689近辺を高値に、地政学リスク報道を受けて1.2613近辺まで一時急落した。その後の戻りは限定的。ポンド円は東京朝方の196.18近辺を高値に上値重く推移。ロンドン序盤にかけてはドル円とともに193.58近辺まで急落した。その後は194円台後半へと下げ一服。ユーロポンドは0.8332から0.8365までのレンジで下に往って来い。英議会でベイリー英中銀総裁などMPCメンバーが証言した。サービスインフレを注視する必要など根強いインフレを指摘する声が多く、利下げペースは緩やかなものが提唱された。ただ、最も新しいメンバーのテイラー委員からはインフレ下方リスクがみられた場合はやや利下げペースを早める必要との意見もあった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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