FX/為替「ドル/円、上値は重いが下値も堅い」 外為どっとコム トゥデイ 2024年10月21日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年10月21日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼18日(金)の為替相場
(1):本邦CPI コアベースは予想ほど低下せず
(2):中国GDP 1年半ぶりの低い伸び
(3):英小売りは予想に反して増加
(4):日銀関係者見解で一時円買い
(5):米住宅関連指標はともに前月から減少
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上下ともに動きにくい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
18日(金)の為替相場
期間:18日(金)午前6時10分~19日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦CPI コアベースは予想ほど低下せず
日本9月全国消費者物価指数(CPI)は、日銀が注目する生鮮食品を除いたコアベースで前年比+2.4%と、前月(+2.8%)から鈍化したものの、市場予想(+2.3%)を上回った。生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年比+2.1%で、前月及び市場予想(+2.0%)を上回る伸びとなった。その後、財務省の三村財務官が、足元の円安について「投機的な動きを含め、高い緊張感をもって注視していく」とけん制したこともあって円買いが優勢となり、ドル/円は150円台を割り込んだ。
(2):中国GDP 1年半ぶりの低い伸び
中国7-9月期国内総生産(GDP)は前年比+4.6%と市場予想(+4.5%)を上回ったが、4-6月期(+4.7%)から減速し、2023年1-3月期以来の低い伸びとなった。同時に発表された中国9月鉱工業生産は前年比+5.4%、同小売売上高は前年比+3.2%だった(予想+4.6%、+2.5%)。
(3):英小売りは予想に反して増加
英9月小売売上高は前月比+0.3%と市場予想(-0.4%)に反して増加。自動車燃料を除いた売上高も前月比+0.3%と減少予想(-0.3%)に反する結果となった。
(4):日銀関係者見解で一時円買い
一部報道で「日銀は今月利上げの必要性乏しいとの認識、今後は排除せず」とする日銀関係者の見解が伝わった。市場は「今後は排除せず」の部分に反応したと見られ、一時円買いに傾く場面があった。
(5):米住宅関連指標はともに前月から減少
米9月住宅着工件数は、年率換算135.4万件と市場予想(135.0万件)を僅かに上回ったが前月(136.1万件)から減少した。住宅着工の先行指標である9月建設許可件数は142.8万件と市場予想(146.0万件)を下回り、前月(147.0万件)から減少した。
18日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:上下ともに動きにくい
18日のドル/円は150円台を維持できずに反落。前日に心理的節目の150.00円を突破して2カ月半ぶりの高値を付けた達成感から、断続的に持ち高調整のドル売り・円買いが出た。早々に150円台を割り込むと、NY市場では一時149.37円前後まで下落。終値は前日比0.5%安い149.52円前後だった。
本日も新規の手掛かり材料に乏しい中で、上値の重い展開が見込まれる。150円台に乗せれば、本邦政府筋などから円安けん制の口先介入が入りやすいこともあって、戻り売りが優勢となりそうだ。一方で下値も限定的だろう。今月に入り、米経済の堅調さを示す経済指標の結果が相次いだことで連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースが鈍るとの見方が強まっている。そうした中で、足元で米長期金利が低下する余地は小さいと考えられる。ドル/円は下落しても149.10円台を通る日足一目均衡表の転換線がサポートになると見ており、149円台割れは回避するだろう。
注目の経済指標:
特になし
注目のイベント:中国LPR
※時間は日本時間での表示になります。
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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