アジア株 上海株大幅反発、米中関係改善期待広がる 中国PMIを前に政府系ファンドが株価下支えに動いた可能性も
アジア株 上海株大幅反発、米中関係改善期待広がる 中国PMIを前に政府系ファンドが株価下支えに動いた可能性も
東京時間14:00現在
香港ハンセン指数 18131.30(+344.98 +1.94%)
中国上海総合指数 2860.89(+37.78 +1.34%)
台湾加権指数 22281.28(+79.43 +0.36%)
韓国総合株価指数 2680.31(+18.03 +0.68%)
豪ASX200指数 8076.80(+31.67 +0.39%)
インドSENSEX30種 82338.00(+203.39 +0.25%)
アジア株は総じて上昇。米経済の底堅さを示す経済統計を受け投資家心理が改善しているほか、米中関係改善期待が広がっている。
昨日発表された米GDP改定値は速報値の2.8%増から3.0%増に上方修正され、新規失業保険申請件数は前週比ほぼ変わらずだった。エヌビディア株は下落したが、決算自体は力強い内容だったため先行きを心配する必要はないだろう。来週は8月の米雇用統計が発表される。前回は雇用者数の伸びが予想以上に減速し失業率は悪化した。衝撃的な結果を受け米国の景気減速懸念が高まった。8月は「悪くない」結果になるとの見方。
サリバン米大統領補佐官はきのう中国の習近平国家主席と会談し、米中対立が続く中でも意思疎通を継続していくことが重要だと述べた。近年、緊張が高まっている両国においてコミュニケーション継続は関係改善に向けた一歩であり、中国市場にとってポジティブ材料だ。
香港株は約7週間ぶりに1万8000ポイント台を回復している。ハイテクや不動産、カジノ、銀行、エネルギーなど幅広い銘柄が上昇している。
自動車メーカーの長城汽車は6.1%高、上半期決算の純利益が70億8000万元と前年同期の13億6000万元から急増したことが好感されている。理想汽車やBYD、吉利汽車控股など他の自動車株も連れ高。
上海株は4営業日ぶりに反発、米中関係改善期待が広がっている。また、きのう約7カ月ぶり安値をつけたことから値ごろ感の買い戻しも見られる。中国政府系ファンドが好むETFの1つが急上昇していることから明日の中国PMIを前に株価下支えに動いた可能性もある。
保利置業集団や金地集団、北京城建投資発展、上海万業、北京万通新発展集団など不動産株が総じて上昇。中国当局が住宅所有者に最大5兆4000億ドル相当の住宅ローンの借り換えを認めることを検討しているとの報道が材料視されている。
来週はアジア市場でも重要指標が発表される。中国では中小企業を対象とした財新の8月製造業PMIと非製造業PMI。豪州では第2四半期GDP、台湾では8月消費者物価指数が予定されている。韓国では8月消費者物価指数と第2四半期GDPが発表される。韓国中銀委員4人が今後3カ月以内に利下げに前向きな姿勢を示していることから、来週のCPI次第では早ければ次回会合(10月)に利下げに踏み切る可能性がある。
執筆者 : MINKABU PRESS
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